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フィンランドのNokiaを中心とした電子機器メーカーが提唱したメモリーカードの規格。
物理層のバスインターフェイスとして、スマートフォン用チップセットなどで普及しているMIPIが採用された。
UFS拡張カードは、microSDとほぼ同じ大きさで、形状も似ている。しかし互換性はもちろんない。
UFS 1.0では、データ転送速度は3.0Gbpsである。
UFS 2.0では、物理層「M-PHY HS-G3」が1レーンで5.8Gbps、2レーンで11.6Gbpsとなった。
バスとしての規格は、カードの速度を決める重要な要素である。
UFS Unified Memory Extension (UFS UME) は、いわゆるメモリーカードとしての規格である。
UFSとしてはほかに、HCI(ホストコントローラーインターフェイス)である「UFSHCI」の規格、UFS UMEに対応したUFSHCI UMEの規格、テストのための規格などが定められている。
OSとして対応するのは、次の通りである。
もともとは、SDメモリーカード陣営から外れたメーカーが、SDメモリーカードの「対抗」を作ることを目的として集まり、規格策定を始めたものだった。
曰く、「従来、メモリーカード規格は様々なものが存在するが、規格が異なると使い回すことができない。そこで、同じカードをデジタルカメラ、携帯電話、携帯音楽プレイヤーなどで共通的に使える、業界統一の次世代メモリーカード規格を作ることで合意が成立した」(意訳)と発表された。
この時に同意した7社は、順不同で次の通り。
しかしながらユーザーは、SDメモリーカードおよび後継や小型品で何も困っていなかった。
というよりむしろ、これ以上余計な規格は不要とさえ考えていた。
そのような中で、「規格が違って使いまわせない」というUFS陣営の主張にも難点があった。実際のところ、UFS陣営に参画したソニーがメモリースティックを辞めさえすれば、ほぼSDメモリーカードで統一されてしまうため「規格が違って使いまわせない」という「問題点」は万事解決という弱点が存在していたからである。
つまり、負け組陣営が起死回生のために消費者無視で新規格を作ろう、というのが現実だったのだが、結果としてこれは消費者にはあまり歓迎されず、つかみはNGだった、ということである。
カードには、物理的な形状の仕様と、インターフェイスの仕様とが存在するのが常である。
例えばSDメモリーカードは、それ以前に使われていたメモリーカードのMMCが元となる規格だが、MMCはSDに道を譲った後はeMMCとして内蔵用メモリーで使われるインターフェイスとして生き残り、これが広く普及した。SDにもインターフェイスだけの規格eSD(Embedded SD)はあるが、これは全く普及しなかった。
一方、UFSは発表以降ただの一度もメモリーカードとして市場投入されたことはない状況でJEDEC標準となり、インターフェイスだけが内蔵用メモリー用として規格化され、遅すぎるeMMCの後継が目指された。
参考までに、2014(平成26)年頃に販売されるであろうスマートフォンの主流はQUALCOMMのSnapdragonチップセットが対応していたeMMCだった。しかしそれから数年後にはQUALCOMMのチップセットでもeMMCからUFS 2.0へと対応が移り代わっており、このため内蔵メモリーとしてはUFSが当たり前として使われることになると見込まれる。
但し内蔵メモリーがどう変化しようが、一般のユーザーにとっては何の関係もない話である。そして――
2016(平成28)年7月、南鮮・サムスン電子は、UFS 1.0拡張カード標準に準拠した、世界初のUFSカードを発表した。
32GB/64GB/128GB/256GBの4つの容量の製品が用意される。256GB(正確にはおそらく256GiB)モデルではシーケンシャルリード530MB/sとされており、SATA 6Gbps接続のSSD相当の速度で、9ピンSDでの最速仕様であるUHS-ⅠのmicroSDカードの5倍速となる。
ランダムリードは40,000IOPSとされ、これはmicroSD比20倍としているほか、シーケンシャルライト(書き込み)もUHS-Ⅰ microSDの4倍以上の速度を謳っている。
参画しているサムスンやNokiaのスマートフォンは、メモリーカードとしてmicroSDではなくUFSを採用する方向で動くだろうが、それが普及するかどうかは市場が判断することである。
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