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ATX12V電源で使われているPCI Express接続の拡張カード用補助電源コネクター。
PCI Express用とはされているが、実質ビデオカード用の電源である。
消費電力が多いGPUはスロットから供給される電源だけでは不足するため、それを補うためのコネクターとして使われ始めた。
コネクターは6ピンまたは8ピンで、うち8ピンは互換性のために6+2ピンに分離が可能となっている。
2022(令和4)年現在、ATX12V電源として市販されているものは、余程の省電力廉価製品でない限りはこのコネクターが付けられているが、これはATXで定められた仕様ではないと思われる。
しかしGPUに対する電源供給は切実な問題となって以降、最近はあまり使われなくなり余っているペリフェラル電源コネクター(4ピン)をマザーボードのPCI Expressスロット横に直接刺して電源供給するASUS EZ_PLUGやら、GPUカードに直接ペリフェラル電源コネクターを搭載する製品やらが登場し、カオスを極める時代となった。
このような試行錯誤の末、6ピンまたは8ピンのこのコネクターがメーカーを問わず使える標準となった。
PCI Express補助電源コネクター(とケーブル)の8ピン1口でまかなえる電力は150Wである。
しかしGPUのTDPが300Wを超え始める中では不足するようになり、8ピンを2本繋げるようなGPUカードも登場するようになった。
ケーブル1本を途中で分岐して2口に繋ぐ利用者もいるが、それは間違った繋ぎ方である。8ピン2口を要求するカードは300Wの電源を消費するため2口あるのであり、ケーブル1本で300Wは安全に供給できない。電源装置にPCI Express補助電源コネクターのケーブルが2本ないのであれば、2本ある電源装置に買い換える必要がある。
2022(令和4)年現在、ATX12V電源として市販されているものは余程の省電力廉価製品でない限りはこのコネクターが付けられている。しかし150Wの仕様では電源が不足する状況となった。
そこでATXでは、PCI Express接続の拡張カードへの新たな電源供給端子である「12VHPWR補助電源コネクター」を追加する拡張のために、約20年ぶりのメジャーバージョンアップを実施してATX12V v3.0仕様を発表した。
この規格では、ケーブル1本で最大600WまでをPCI Expressスロットへと供給することができる。
但しこのコネクターはPCI Express補助電源コネクターとは全く互換性はない。また電源も専用品が必要なためPCI Express補助電源コネクターから変換アダプターで12VHPWR補助電源コネクターに変えることもできないが、事実上の後継コネクターであるため、今後は徐々にこちらへと移行するものと思われる。
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