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ASUSTeKのマザーボードで対応している電源関係の独自機能。ASUSTeKの特許であるらしい。
ASUSTeKは元Pentium Ⅲユーザーなどに配慮してか、或いは、まだ良い対応電源装置が出揃っていない事を考慮してか、従来の電源装置をそのまま用いる方法を考えた。
こうして、電源から引き出してハードディスクなどへ繋ぐ、一般的な大型の内蔵ドライブ用の電源コネクター、つまりペリフェラル電源コネクター(4ピン)をマザーボード上に搭載し、これをATX12V電源コネクターの代わりに利用できるようにした。この機能がASUS EZ_PLUGと呼ばれている。
実に衝撃的な光景である。
現在は、Intel系、AMD系問わずATX12V電源は普及しているため、EZ_PLUGをCPU電源供給用として搭載した製品は存在しない。
しかし後に、別の目的のために一時的に復活することがある。
最初の復活における供給対象は、グラフィックカードである。
グラフィックカードの高性能化は目覚ましく、性能と引換に大電力を消費するようになった。
後の世ではグラフィックカードがGPGPUとして、グラフィック処理以外の汎用的な演算処理にも用いられるようになりグラフィックカード(GPU)への性能要求は更なる高まりを見せるようになっている。だが最初に復活したこの当時ですら、NVIDIAのチップセットnForce4 SLI搭載のマザーボードでは、グラフィックカードを2枚挿してグラフィック機能を格段に向上させる技術「NVIDIA SLI(Scalable Link Interface)」に対応するなどしていた。このような電流浪費カードが2枚も刺さることになると、電力が足りなくなる恐れがあった。
ATXの仕様上はカードの消費電力が計75Wまでなら、全ての必要電力をPCI Express ×16スロットから供給可能である。ただ電源装置のメイン電源供給コネクターはCPU付近に設置されることが多く、つまりスロットから距離があるためスロットが大電流を消費するには条件が悪い。また、実際に計75Wを超えることもあったと見られる。
そこで再びEZ_PLUGが登場した。PCI Expressスロットのすぐ傍に4ピンのペリフェラル電源コネクターが配置され、ここからスロットに電源を供給することができるようになった。
他のメーカーのマザーボードで使えないというのではカードメーカーも困るので、グラフィックカード自体も対策が講じられた。
初期には、4ピンのペリフェラル電源コネクターがグラフィックカードに付けられ、グラフィックカードに直接電源供給できるようになった。後には、追加電源コネクターの仕様が決まり、CPU補助電源供給用と似た形状の、2×3の6ピン、または2×4の8ピンのコネクターが使われるようになり普及した(ただしCPU補助電源とは形状が違うため誤挿入できないようになっている)。
これに伴い、その重役を終えたASUS EZ_PLUGは、再び眠りについたのである。
ASUS EZ_PLUGに、再び眠りから目覚める日が訪れた。次なるマザーボードは、オーバークロック特化のIntel Z370マザー「ROG MAXIMUS X APEX」であった。
ただし、具体的な使途は不明である。
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