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ATX12V電源で採用された、12Vを供給する補助電源コネクター。
2022(令和4)年3月28日(米国時間)に発表されたATX12V電源の新バージョン、ATX12V v3.0から採用されたコネクターである。
このコネクター追加のために、2003(平成15)年2月に発表されたATX12V v2.0から約20年ぶりのメジャーバージョンアップとなった。
+12V×6ピンとGND×6ピンからなる6×2ピン構成で計12ピンの電源端子と、センサー用の4ピンの信号端子からなり、全部で16ピンが存在する。
また12VHPWRケーブルについても、150W、300W、450W、600Wの対応品があり、何ワットまで対応できるかケーブルに印字されている。
PCI Express拡張スロットへの大電流の供給に対応するための補助電源コネクターである。
それはつまり、PCI Expressに挿されたGPUカードへの電源供給用ということである。
かつてのATX12V電源ではGPUの消費電力対策で、カードへの電源供給用の「PCI Express補助電源コネクター」として6ピンまたは8ピンのコネクターを用意する製品が多くあった。8ピン1口でまかなえる電力は150Wだが、GPUのTDPが300Wを超え始める中では不足するようになり8ピンを2本繋げるようなGPUカードも登場するようになった。
そこで新たな仕様では、1本で最大600Wまで対応させる補助電源として新たに策定された。
12VHPWRに初対応すると見られているGPUはNVIDIA GeForce RTX 3090 Tiである。
この新しいコネクターは、従来のPCI Express補助電源コネクター(6ピンか8ピン)とは全く互換性がない。
ビデオカードのために1本で最大600W(12V 50A)という大電力を供給可能とするが、これは一つ間違えると機器の故障、最悪発火、火災にもなりかねない。元々PCI Express補助電源コネクターは安全性などにかなり疑問のあるものだったため、これを二つ束ねて16ピンなどにするような拡張とはぜず、また別途の信号線を用意しGPUカードと電源ユニット間での通信機能を設けることで、安全面に振った新しい規格として作られた。
通信機能のおかげで電源ユニットは繋がれた拡張カードが何枚あるのかを把握でき、電源ユニットの供給電力の範囲内で電源供給量を調整できる。
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