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DVDの後継として、DVDフォーラムにより策定された光ディスク規格。
東芝とNECが共同開発したAOD(Advanced Optical Disc)をベースとしており、DVDとの互換性を重視した仕様となっている。
DVDの後継を標榜するもう一つの規格として、DVDと全く互換性がないBlu-ray Disc(以下BD)がある。
HD DVDもBDも、近いHDTVの普及を前に、そういった映像性能を生かせる媒体が必要であるという前提の下で開発された。そういった需要があるかは不明だが、需要があると仮定した上での両者の比較をすると、そのコンセプトの違いは明確である。
対抗のBDはあくまで容量重視であり大容量の媒体も登場しているのに対し、こちらHD DVDは、容量よりも「作りやすさ」重視となっている。
ターゲットも差があり、BDはHDTVの録画を主たる目的としているが、HD DVDは市販用のHDビデオコンテンツを格納する媒体を作ることを主たる目的としている。
従って容量も、殆どの映画が片面に収まるよう、選定された。どちらが普及するか、どちらも普及しないかは、市場に委ねられた。
結果は、映画会社や小売業者がHD DVDからの離脱という形で、HD DVDの敗北という結論になった。
CDと同サイズ(直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mm)のディスクに映像や音声、コンピューターデータなどを格納できる。DVDと同様、両面が可能なほか、記録層を二層にすることも可能。
読み取りには405nmの青紫色半導体レーザー(DVDは650nm)を使用するのはBDと同様。
AODとBDの大きな違いは、AODが既存のDVD製造設備をそのまま使って製造できることを目指した点である。このため対抗規格BDよりも安価な製造が可能。またこのためBDとは違い、DVDのようにメディアをむき出しのまま使用する。
そして、開口数がDVDと同じ0.65のレーザー対物レンズを使用するので、AODドライブ側もレーザー以外に大きな変更が無く、製造コストを下げられる。
DVDなどと同様に、次のような媒体のラインナップがある。
いずれも、片面1層で15Gバイト、片面2層で30Gバイトである。両面ならその倍となる。
HD DVD-Rは色素を変化させて記録し光学で読み取る光ディスクである。対してHD DVD-ARWはDVD-RWと同様に相変化ディスクである。
読み取り専用媒体であるHD DVD-ROMは片面1層で15Gバイト、片面2層で30Gバイトである。
2003(平成15)年11月にHD DVD-ROM Ver 0.9が承認され、2004(平成16)年6月にHD DVD-ROM Ver 1.0およびHD DVD用ビデオコーデックが承認された。
1回のみ書き込めるHD DVD-Rは片面1層で15Gバイト、片面2層で30Gバイトである。
2005(平成17)年2月に規格がまとまった。
何度も読み書きできるHD DVD-ARWは片面1層で20Gバイト、片面2層で32Gバイトである。
2004(平成16)年2月26日にDVDフォーラム幹事会でHD DVD-ARW Ver 0.9が承認され、規格がまとまった。
当初、2層は40Gバイト程度になると言われていたが、最終的には32Gバイト以上、ということになったようだ。
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