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第一世代電子計算機の時代に、主記憶装置として使われた素子。メインフレームに組み込まれたものは、1980年代までは大規模な使用例があった。
円環状に成形したフェライトのコアに導線を通し、これに電流を通じればコアが磁化されることを利用する。
この際、電流の向きにより磁化に右巻きと左巻きの二種類の状態が得られるので、これを論理の「0」と「1」に対応させる。
実物は縦横に張った導線の全ての交点にコアを配置したもので、更に後述のパルス検出用の線も通してある。コアの寸法は末期には0.3mm程度にまで小さくなったので、コア・マトリクスの見た目は網戸の切れ端に虫の卵がびっしり産みつけられたような感じのものである。
読み出す際には、あらかじめ決められた方向に磁化させる操作をする。
この時、磁化の方向が変わらないコアでは何も起こらないが、反転方向に磁化を強いられるコアからはパルスを検出することができるので、これにより読み出し操作前の状態を知ることができる。
つまり、破壊読み出しなので、読んだ後は必ず上書きをして旧に復さなければならない。
また、前述の反転パルスは非常に微弱なので、その検出には精密なアナログ回路が必要である。このような事情から、コア・マトリクス本体は当時の集積度の低い半導体メモリーに比べて特に大きくはなかったが、周辺回路が大量に必要だった。
原理がコアの磁化によるものなので、本質的には不揮発性メモリーのはずである。
しかし現実には電源投入時のショックで磁化反転してしまうおそれがあるので、揮発性並みの扱いをされるのが普通である。
UNIX界隈では、今でも「コアダンプ」という語を使う。
このコアとは、コアメモリーのことである。今やコアメモリーは使われていないが、関連する用語は今も使われている。
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