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米国のInternational Digital Publishing Forum(IDPF)が提唱した、電子書籍のファイルフォーマット規格。
EPUBは、IDPFの前身Open eBookフォーラムが制定した「Open eBook Publication Structure」の後継規格として作られた。
設計思想として、プロプライエタリーな技術(オープンソースでない技術)を廃するというものがあり、もって公開された仕様のみで作られ、参入障壁が低い。このように、EPUBはオープン(公開された仕様)でありかつ単純明快であることから、徐々に普及している。
電子書籍関係のソフトウェアやハードウェアで採用される例が多い。
Mozilla Firefox用のアドオンなどもある。
EPUBは、既存の次のような技術が組み合わされる。
Open Packaging Formatの文書は、XHTML 1.1およびCSS2のサブセットである。
文字コードはUnicodeを用い、符号化はUTF-8またはUTF-16を使う。このため、日本語にも対応する。
これらファイルは、「OEBPS Container Format」すなわちZIPでアーカイブ化する。拡張子は.epubを使う。このため一冊分の書籍としては、拡張子.epubのファイルが一つあるだけとなり、非常にシンプルかつ利便がよい。
MIMEタイプ名はapplication/epub+zipが使われている。
EPUBはWebの技術と同様であるため、リーダー(対応アプリケーション)はWebブラウザーの延長線上で作ることができる。
難点は、Webと同様、Webブラウザー間の互換性で、どのように表示されるかがリーダーによってまちまちになってしまうことである。
とは言え、現実として電子書籍リーダーはハードウェアの制約を大きく受け、仮にほぼ同じソフトウェアを使ったとしても同等の表示になるとは限らないため、いずれにせよ避けることの出来ない制約であると言える。
EPUBは、少なくとも次のファイルやディレクトリが必要とされる。
mimetypeとcontainer.xmlの位置は固定で変更できないが、content.opfの所在はcontainer.xmlで、toc.ncxの所在はcontent.opfでそれぞれ指定されるため、必ずしもこの位置である必要はない。
ディレクトリ名がOEBPSである必要も無さそうだが、一般的にはこの名を使う。画像等のためにディレクトリを作る必要がある場合は、OEBPS以下に必要に応じて掘ることができる。
ルートに格納されるmimetypeファイルは、非圧縮の状態で格納されなければならない。
mimetypeファイルは、中に一行、次のように書くだけである。改行はあっても無くても良い。
application/epub+zip
この存在により、このZIPアーカイブがEPUBの文書ファイルであることを明示することになる。
パッケージのファイル名とありかを記述するファイルである。
概ね、次のような内容になっている。
<?xml version="1.0"?>
<container version="1.0" xmlns="urn:oasis:names:tc:opendocument:xmlns:container">
<rootfiles>
<rootfile full-path="OEBPS/content.opf" media-type="application/oebps-package+xml" />
</rootfiles>
</container>
ここから、content.opfはルートに置くことも可能であることが分かり、またファイル名もcontent.opfである必要がないことも分かる。
content.opfは、書籍のメタ情報とマニフェスト(必要とされるファイル)が記載されるファイルである。
toc.ncxは目次の情報が記載されるファイルである。
これを用意すると、カーソルキーなどで章の早送りなどが出来るようになる。
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