ア | イ | ウ | エ | オ |
カ | キ | ク | ケ | コ |
サ | シ | ス | セ | ソ |
タ | チ | ツ | テ | ト |
ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ |
ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ |
マ | ミ | ム | メ | モ |
ヤ | ユ | ヨ | ||
ラ | リ | ル | レ | ロ |
ワ | ヰ | ヴ | ヱ | ヲ |
ン |
A | B | C | D | E |
F | G | H | I | J |
K | L | M | N | O |
P | Q | R | S | T |
U | V | W | X | Y |
Z | 数字 | 記号 |
主な遺伝子や作られる蛋白質等の名称、およびその欠損による遺伝病等は次のとおり。
この染色体に関わる主な遺伝病と、原因は次のとおり。
哺乳類、およびナデシコ科の雌雄異株植物ヒロハノマンテマは、Y染色体上に存在する性決定遺伝子(ヒトの場合はSRY)によって、Y染色体を持つ個体が雄(男)へと分化する。ただし、Y染色体の存在は雌雄の分化を必ずしも意味しない。
具体的には、ショウジョウバエ科の蝿やタデ科の雌雄異株植物スイバはXY染色体を持ってはいるが、しかしY染色体は性決定には殆ど関与していない。これらは常染色体とX染色体の比率によって性が決定されており、正常な雌雄はXXまたはXYになるがこの時にXXの場合は常染色体に対してXの比率が高まるため雌となり、XYの場合は常染色体に対してXの比率が低いため雄になる。
XY染色体のペアは、3億年ほど前に一対の常染色体から誕生したと考えられている。つまり、元々はX染色体=Y染色体だったことを意味し、性染色体に特化する前は普通の染色体だったが、性決定に関する遺伝子が成立したことによって互いに異なる性染色体へと分化をしたと考えられている。
普通の染色体だった頃はXY間で互いにクロスオーバー(遺伝子情報の交換)をすることで有害な変異を取り除き、遺伝子プールを広く保つ機能を常染色体と同様に持っていた。しかし性染色体となってXY間でのクロスオーバーが原則行なわれなくなると、Y染色体は不要となる遺伝子を急速にそぎ落とすようになり、現在に至っているとされる。
ヒトの男女の出生率は男104∶女100とされており、ほぼ1∶1である。これはヒトの性決定システムがオスヘテロ型(XY型)であり、男の赤ん坊がXY型なのに対して女の赤ん坊はXX型の染色体を持つことによるものである。
男の方が若干多い理由については、Y染色体はX染色体より小さく軽いためX染色体の精子よりY染色体の精子の方が速く泳げて早い者勝ちの受精合戦ではY染色体の精子の方が運動性で有利なため、ともされているが、他に、X染色体には多数の必要な遺伝子が存在していることも理由である。女の赤ん坊は2本のX染色体を持つため、もし片方に有害な変異があってももう片方で補えるが、男はX染色体を1本しか持たないためX染色体に有害な変異があってはならず、このため男の赤ん坊の死亡率は女の赤ん坊と比して4%高くなる、ということを意味している。
XY染色体は元は同じ染色体だったため、共通の遺伝子を持ち、共通領域が存在する。
ナデシコ科の雌雄異株植物ヒロハノマンテマは、遺伝子研究によりX染色体とY染色体で共通領域を持つが共通部分以外はX染色体と比してY染色体は向きが完全に逆になっていることが判明した。つまり、この植物は進化の過程でY染色体はセントロメア部分を含めて巨大な逆位を発生させたことが伺える。なお、X染色体のセントロメアの位置については定かではない。
3億年の間に数百の遺伝子を失ったヒトのY染色体はいずれ消滅し、男性が絶滅するという仮設が存在する。しかし、様々な研究により、これを否定する結果も得られている。
米ホワイトヘッド研究所の研究者らによる研究では、2,500万年前にヒトと共通の祖先から分化したアカゲザルとヒトでY染色体の比較をした。結果、アカゲザルは2,500万年にわたりY染色体の祖先遺伝子は一つも失っておらず、ヒトも失ったY染色体の祖先遺伝子は一つだけと判明したとする。
この研究者らによれば、Y染色体の大量の遺伝子消失は早期に短期間で生じたもので、2,500万年で失われた遺伝子が1つだけということから、現在のヒトのY染色体は非常に安定していると考えられ、将来的にY染色体が消滅することはないと結論付けている。
コメントなどを投稿するフォームは、日本語対応時のみ表示されます