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主原料である小麦粉を水で溶いて捏ねて作る、日本の麺類の一つ。
農林水産省「乾めん類品質表示基準」においては、「干しめん」のうち、長径を1.7mm以上に成形したものを「うどん」と表示できるとしている。
長径が1.3mm以上1.7mm未満に成形したものは「ひやむぎ」だが、これを「細うどん」と表示することもできるとしている。
規格では、「干しめん」は次のように分類されている。
なお、材料に鹹水を用いた場合は「中華めん」となる。
生麺については、「生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則」にて、次のように規定されている。
この規約で「うどん」とは、ひらめん、ひやむぎ、そうめん、その他名称のいかんを問わず小麦粉に水を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。
従って、様々ある小麦粉麺の生麺は、総じて「うどん」となる。
但し、同公正競争規約施行規則には併せて、「○○うどん、ひやむぎ、ひらめん、きしめん、ほうとう等一般消費者に誤認されない名称に替えることができる。」と書かれており、商品名に常識の範囲内で他の名を用いることを認めている。
麺料理は多様に分化しており、うどん類もまた同様である。
大きくは、次の分類方法で分類できる。
市販時の状態にも様々ある。概ね、太さ、製麺方法、麺状態に分類できる。
一般的な分類方法。
規格による分類方法。
以下には、いわゆる「ひやむぎ」「そうめん」に分類されるものは記載しない。
乾燥させて保存性を高めたもの。細饂飩が多い。短く棒状に切られ、100g程度で束にしたものが市販品に多い。
熱湯で茹でて戻し冷水で絞め、そのままざるに盛ったり、再び熱湯に入れ暖めて温かい饂飩とする。
茹でたものを袋に入れたもの。太饂飩が多い。
食味が良いことから普及しているが、生ものであるため保存性が悪いという難点がある。
熱湯で茹で、お湯を切って食べる。
強いコシなどを売りとするものに多い。生饂飩と比べ、ゆで時間が長く必要という点がある。
調理方法に、乾麺と同様に茹でた後に冷水で絞めるよう書かれていることが多い。
茹でた後に冷凍したもの。いわゆる冷凍食品。
冷凍麺は解凍したときに分子構造が変質するため食味が悪くなる。一般に冷凍饂飩にはタピオカなどが加えられており、解凍後も弾力が維持されるよう工夫されている。
カップ麺として市販されているもの。
ラーメンと同様に油で揚げたものや、麺をフリーズドライ(凍結乾燥)したものなどがある。
干し饂飩(乾麺)と同様に保存性を持ちながら、手軽さも加えられたもの。
具がないものを「素饂飩」または「かけ饂飩」という。
具があるものは、一般に「○○饂飩」(○○が具の名前)とする(素饂飩以外は50音順)。
太さや製法、調理方法、食べ方など、その地域色が色濃いものは、地域の名を冠して呼ばれる(50音順)。
秋田県の饂飩。かつての秋田県雄勝郡稲川町稲庭、現・湯沢市稲庭町の名物で、「三大うどん」の一つとされる。
秋田の代表的銘酒「太平山」蔵元直送の酒が楽しめる、東京・神田の居酒屋「蔵 太平山」にもメニューが存在する。
愛知県名古屋市の名物料理で、薄いひらめん(平麺)を使った饂飩料理である。
上述のように、農林水産省の乾麺の基準では形状のみで「きしめん」が分類され、生麺については饂飩の一種とされている。
「四国の右上」こと香川県の饂飩。
コシの強さなどを特徴とし、全国にファンを持つ有名な饂飩で、「三大うどん」などとした場合に外れることがない。
山梨県の名物料理。
麺の形をしたものが一般的だが、ほうとうは必ずしも麺である必要がない。すいとんのような塊で食されることもあり、このため地元では饂飩とは異なるものとして見ている。
カボチャなどと共に味噌仕立ての汁で煮込んで食べる。
群馬県など、かつての上州(上野国)周辺の名物で、「ほうとう」に似た料理。
小麦粉で作られた幅広の麺を使い、製麺時に塩を入れないことを特徴とする。
群馬県渋川市伊香保町水沢の名物で、「三大うどん」の一つとされる。
生地を捏ねた後、伸ばすまでに長い熟成期間が置かれており、シコシコとした強いコシと、ツルツルとした喉ごしを特徴とする。
山梨県富士吉田市とその周辺の饂飩。
他にない独特の強いコシと太さと固さが特徴で、麺そのものは「ほうとう」である。
高速道路でも、例えば初狩PAのスナックコーナー(上下線とも)にメニューが存在する。
学校給食で使われている専用の麺が「ソフトめん」である。公正競争規約では「ソフトスパゲッティ式めん」と呼ぶことになっている。
見た目は「饂飩」だが、麺の太さは市販の生饂飩の半分くらいになっている。前規約でも饂飩とは異なる扱いで、「小麦粉に水を加えて練り合わせ、製めんし表面糊化した後加工したものをいう。」と定義されている。
業者が蒸し調理しビニール袋に個別包装して学校に納入するのが一般的だが、実際に食べらるまで時間があくために、麺が伸びにくいように強力粉が使われているなど、学校給食の都合に合わせて開発された麺である。
懐かしい給食のメニューとして必ず名が上がるものだが、「ソフトめん」は粉からして学校給食用のものであるため、今でも「そのもの」は市販されていないとされている。
似たようなものを一部の麺メーカーが製造して市販しているようである。
関東では、油揚げの載ったうどんを「きつねうどん」、天かすの載ったうどんを「たぬきうどん」という。
しかし、これは関西では通じない。
関西では、「きつね」または「けつね」(うどんは付けない)で「油揚げの載ったうどん」、「たぬき」(うどんは付けない)で「油揚げの載った蕎麦」を表わす。
つまり、関東の「たぬき〜〜〜」(天かすを載せたうどん/そば)は、大阪のメニューには存在しない。なぜなら、関西では天かすは無料で、好きなだけ自分で掛けられるからである。
現在は大阪でも多くは「きつね」だが、昔の関西弁では「けつね」と訛って発音されることがあった。上方落語などには今も出てくる。
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