非常に重く明るい小さな高温星。略称はWR星で、カタログ番号もWR。
元々は青色超巨星、高光度青色変光星(LBV)、赤色超巨星の何れかであるが、星が進化の末期に差し掛かり、星の外層の水素などが爆発的に吹き飛ばされ、内部が露出しているような天体のこと。
吹き飛ばした外層が周囲に広がり、惑星状星雲を作ることも多い。発見されているWR星の多くは、厚い星間雲の中にある。
こうなった天体は、そう遠くない将来、超新星爆発を起こす。こういった星は数百個知られている。
光度階級では、超巨星はⅠとなる。若干小さい輝巨星の場合はⅡである。
スペクトル型は、3万度以上のO型の範疇だが、W型に分類する。細分類として、輝線強度の成分に応じ、WC型(炭素)、WN型(窒素)、WO型(酸素)に分ける。
太陽の20倍以上の質量を持つ大質量星であり、太く短く生きた後は超新星爆発を起こして他の星の材料となる。
この最終段階、ウォルフ・ライエ期に莫大な熱と放射が発生し、900万km/hにも達するようなエディントン限界を越える恒星風が吹き荒れ外層部が吹き飛ばされると考えられている。
このような過程により、高光度青色変光星からWR星に進化する事例もある。
外層は無くなっても中心核の質量太陽の数十倍あると考えられており、最近では、中でも太陽質量の30倍を大きく超えるものは極超新星を起こすと考えられている。
発生する恒星風により周囲の星間雲が圧縮され、新しい星々が誕生する。
NASAが2004(平成16)年1月5日に発表した情報によると、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて銀河系内の61個のWR星を観測し、うち23個に新たに伴星が発見され、既に発見されたものも含めると59%に伴星がある、とされた。さらに高精度の観測を行なえば、さらに増える可能性も示唆されている。
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