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地球は宇宙の中心に静止して存在し、他の天体はすべて地球を中心にその周囲をまわっている、とする説。プトレマイオスやその流れをくむ説が有名。対するは地動説。
まだ科学技術の発達していない頃には主流の考え方で、近代科学の発展しかる後もキリスト教などから熱心な支持があったが、この説は現在では誤りであることが分かっている。
多少強引だが相対的な考えをすれば、地球が止まっていてその周りを月と太陽が回っていて、その太陽の周りを惑星が回っていて、宇宙全体も動いている、という考えもできなくはない。ただこの場合は、世界の中心に不動の地球があって、という古典的天動説の世界観とはやや異なる。
紀元前、従円と周転円というアイディアにより惑星の動きが説明され、これが長く支持された。
この説では惑星は、周転円という小さな円を描きながら、従円という地球を中心とする大きな円軌道を公転する、と説明されている。この時の周転円の中心は従円上に存在している。さらに複雑な動きについては、より小さな周転円を描きながら少し大きな周転円をめぐり、それがさらに従円を公転する、といったように多重化された軌道も考案されていった。
この理論によって、順行・逆行、地球との距離の変動など、惑星の複雑な動きはいくらでも説明することができた。
現在においてはケプラーの法則を持ち出すまでもなく、古典力学の水準ですら力学的にその軌道を取る理由を説明できない時点で無理があるが、天動説の時代には万有引力の法則などは存在しないので、実際の天体の動きに合うように軌道の理論を作り上げることは、いくらでも可能だったのである。
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