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宇宙開発事業団(NASDA)技術研究本部の先端ミッション研究センター(現在のJAXA総合技術研究本部)が開発した小型人工衛星。形状は八角柱。
この衛星は、50kg級小型衛星バスの実証実験、SELENEリレー衛星分離機構の実証実験、遠隔検査技術の実証実験を主たる目的とし、2002(平成14)年12月14日にH-ⅡAロケット4号機(H-ⅡA・F4)で、ピギーバック打ち上げ方式により打ち上げられた。現在はμ-LabSat 1号機と呼ばれており、後継機も予定されていることが伺える。
この1号機は全て市販の民生用部品で作られており、設計から組み立てまで全て若手職員による手作りである。一般の衛星は放射線などに耐える部品を使うが、高信頼性の代わりに高価である。この衛星では、小型の民生部品を活用して試作されており、その耐久性も実験の対象となった。大きさは50cm四方程度、重さも約54kgとコンパクトになっている。
開発費は約4億円と、通常の衛星と大差ないが、これは初の試みということで市販品を大量に購入して厳密な試験を行なったためである。ちなみに一般の衛星のバッテリーは特注で100万円以上するのが通常だが、この衛星では1個600円の市販のバッテリーが24個使われている。
なお、予定していた全てのミッションは2003(平成15)年5月25日に成功裏に終了した。しかも、予定運用期間の3倍に当たる1年半以上も故障なしで地球を回り続けており、まさに大成功であった。
ちなみに元々はH-Ⅱロケット7号機(H-Ⅱ・7F)で打ち上げ予定だった二衛星の一つだが、ロケットは打ち上げ中止となり、H-ⅡAロケット4号機まで打ち上げ延期となった。
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