ジクロロメタン

読み:ジクロロメタン
外語:dichloromethane 英語
品詞:名詞

万能な溶解力をもつ塩素系有機溶剤の一つ。塩化メチレン(塩メチ)、メチレンクロライド(メチクロ)。有毒。爽やかな芳香が特徴。

目次

基本情報

  • 分子式: CH2Cl2
  • 分子量: 84.94
  • 比重: 1.3(水=1)
  • 融点: −95.1℃(ICSC)
  • 沸点: 40℃(ICSC)
  • CAS番号: 75-09-2
  • ICSC番号: 0058
  • 官報公示整理番号(化審法番号): 2-36

ジクロロメタン
ジクロロメタン

  • 外観: 無色の液体で、特徴的な臭気がある
  • 溶解性:
    • への溶解度: 1.3g/100ml(20℃)

誘導体、関連物質の例

塗料やインクの剥離剤/洗浄剤のほかに、金属脱脂洗浄剤(プリント基板の洗浄)、ウレタン発泡助剤、時にカフェインレスコーヒーのカフェイン抽出などにも使われる。人体には中枢神経障害などを起こす。

ピペットで口で吸うと(危険なので決して真似するべからず)蒸気が口に入って来るが、これには甘味がある。しかし間違って液体を口に入れると辛味がある。

ゴキブリに掛ければ一瞬で逝く。

代表的な溶剤であるクロロホルムが有毒ということで、現在ではどうしても止むを得ない場合を除いて、より安価で危険性が低い(といわれる)ジクロロメタンを使うようになってきた。

しかしなお有害であることは間違いない。近年では印刷業に従事した者が胆管がんを罹患するという問題も生じているが、その原因として印刷機のインクを拭き取る際に使用しているジクロロメタンが疑われている。

適用法令

  • 毒物及び劇物取締法: 該当しない
  • 消防法(危険物の規制に関する政令): 該当しない
  • 労働安全衛生法 (労働安全衛生法施行令)
    • 別表第九 名称等を通知すべき危険物及び有害物
  • 航空法
    • 運輸省告示第五百七十二号 航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示 別表第1
  • 船舶安全法(危険物船舶運送及び貯蔵規則)
    • 第三条 六 毒物類
    • 船舶による危険物の運送基準等を定める告示 別表第1 国連番号1593 毒物類
  • 港則法 港則法施行規則
    • 第十二条 危険物船舶運送及び貯蔵規則に定める毒物類
  • 海洋汚染防止法(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律)
    • 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令 別表第一 X類物質 206
  • 水質汚濁防止法
    • 第二条第二項第一号 政令で定める物質(有害物質)
  • 大気汚染防止法
  • 悪臭防止法: 該当しない
  • 化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
    • 第一種指定化学物質 (別表第一)
  • 高圧ガス保安法 一般高圧ガス保安規則: 該当しない

その他様々な法律で規制がある。

危険性

  • 引火点: なし
  • 発火点: 556℃(ICSC)、662℃(MSDS)
  • 爆発限界: 12〜25vol%(空気中)

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: 眼、皮膚、気道を刺激する
    • 感作性: なし
  • 毒性
  • 規制値
    • 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
    • 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
    • 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
    • 暴露許容濃度(TLV): 50ppm(TWA);A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質);BEI(生物学的暴露指標)記載あり (ACGIH 2004)
    • 最大許容作業濃度(MAK): 発がん性カテゴリー:3A (DFG 2004)

環境影響

環境に有害な場合があるため、地下水への影響に注意。

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: 魚類など水圏生物への影響は低い
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属
溶剤
揮発性有機化合物
関連する用語
クロロホルム
ゴキブリ

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