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一般的には、熱せられた地下水がわき出したもの、及びその場所。また、それを利用した施設(浴場)などがある場所のこと。
地中から湯が沸き出す場所や、その現象などを総じて温泉という。また、その湯を用いた施設も温泉と呼ぶ。
温泉は地下の様々な熱源により水が温められ、それが湧出するものであるが、後述するように日本の法律上の定義では必ずしも温水である必要が無く、ここから「狭義の温泉(本物の温泉)」と「広義の温泉(法的な温泉)」とに呼び分けられるようになった。
水道水を沸かした、いわゆる銭湯の屋号として「○○温泉」と称するものも少なからずある。
実際に温泉法に基づいた温泉水を用いていなくても、屋号に温泉を用いる法規制がないことから、今もこのようなことがまかり通っている。
環境庁鉱泉分析法指針では、「源泉温度(泉温)」、「pH値」、「溶存物質総量」、「泉質」によって様々に分類される。
温度による分類は、次の通り。
pHによる分類は、次の通り。
また俗に、ph10以上の温泉を強アルカリ性泉と呼ぶこともある。
温泉は、様々な特徴を持っているが、それらは人間の様々な感覚を刺激し、リラックスの効果を与える。
古典的な人間の感覚分類に五感というものがある。現在ではより多くの感覚が知られてはいるが人間の感覚の基本とも言えるこれらを、温泉は有意に刺激する。
五感の視覚は温泉の色、聴覚は流れる温泉の音、触覚は肌触り、味覚は温泉の風味、嗅覚は温泉の香りで刺激され、もってリラックス効果があるものと期待される。
大分県の湯布院温泉(由布院温泉)や別府温泉などごく一部の温泉に見られるのが、青い色の温泉である。主として大分県だが、和歌山県の湯の峰温泉 つぼ湯や、秋田県の乳頭温泉 孫六温泉なども青色を呈している。
ここも火山帯であり、また温泉も地中より湧き出してすぐは無色透明である。これが湧出後、まず薄いコバルトブルーとなり、数日中に青が濃くなり、一週間後頃には乳白色へと変化する。青と乳白色が混ざり、乳青色という不思議な色合いを醸し出す濁り湯が特徴となる。
この種の温泉は温泉中に珪酸が多く含まれている。珪酸塩が水中で脱水縮合を繰り返し粒子が徐々に大型化するにつれ、最初は太陽光の中の波長の短い青色光のみを散乱するレイリー散乱を起こし、もって青色に見えるようになる。粒子が更に大きくなると、全ての可視光を散乱するミー散乱によって白色に見えるようになる。
青色の温泉は特殊だが、温泉法では珪酸を特殊扱いしていないため、これらの温泉の泉質は通常は塩化物泉などに分類される。
黒色の温泉は幾つか原因があり、フミン酸(腐植酸)によるものと、鉄分を含む硫黄泉によるものとがある。
太古の海底に生息していた海藻などが含まれる地層から採取される温泉水は、その植物が微生物に分解されて作られたフミン酸(腐植酸)が含まれている。フミン酸は可視光を吸収することから、黒く見える。
東京湾周辺の温泉では、太古の海藻由来の黒い温泉が多くある。都内だけでなく、スーパー銭湯のチェーン店 極楽湯の横浜芹が谷店(神奈川県)や和光店(埼玉県)なども湯色が黒である。
北海道の十勝川温泉なども同様だが、こちらは「モール泉」と称している。モールはドイツ語で泥炭土などを意味するMoorが語源とされている。
また鉄分を含む硫黄泉では、温泉中の硫化水素が鉄分と反応して硫化鉄を析出させる。これは「湯の華」などになるが、これが温泉中に懸濁すると黒いお湯となる。栃木県の塩原温泉ではこれを「墨の湯」と称している。
お湯自体は無色透明であるが、浴槽にお湯が張られるとこれが緑色に見える、などの例がある。
岩手県の国見温泉、長野県の熊の湯温泉などが、緑色の秘湯として知られる。
温泉の泉質としては、多硫化物イオンや炭酸カルシウムなどを含む硫黄泉である。多硫化物イオンは黄色を呈するが、この硫黄粒子や炭酸カルシウムによるレイリー散乱で青色光が散乱され、黄色と混色して緑色に見える。国見温泉は飲用可能な温泉だが、苦味があり、「驚きの不味さ」と評判である。
また特殊な例として、岐阜県の焼岳温泉には、天然のクロレラを含む「うぐいすの湯」と呼ばれる温泉があり、日光を浴びつつ成長するそのクロレラによって湯は緑色を呈している。地下深くには光が届かないため光合成する藻類は存在しないことから、湧出後に増殖したことが分かる。秘湯中の秘湯である。
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