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「男根」を神としてみたてたもの。これは神道の神(神話の神)ではなく、自然信仰あるいは民間信仰に近い。
全国各地の神社で、これが祭神として祀られている。中には麻羅観音と称して仏式に祀られる例もある。
金勢様(こんせいさま)、金精様(こんせいさま)、あるいは金精大明神(こんせいだいみょうじん)などとも。
金精の「金」は堅いもの、「精」は精力を表わし、もって力強く勃起する男性器をイメージするものと思われる。
その御利益は、縁結び、夫婦和合、子宝・子孫繁栄・一族繁栄、安産といった性や出産に関するもの、生殖器の病、精力減退、婦人病、夜尿症などに御利益があるとしたり、あるいは「金」から金属の神としてお祀りされることもある。また、五穀豊穣にもご利益があるとする。
注連縄に男女の性器を模したものを吊るすのも全国に見られるが、これらは一般に悪疫の侵入を防ぐ、とすることが多いようである。
金精の源流とされるのが、岩手県盛岡市玉山区巻堀字本宮22に鎮座する巻堀神社とされる。最寄りの道路は国道4号である。
このお社は1459(長禄3)年創建とされ、ご神体は高さ60cmばかりの「金勢大明神」である。また神社の境内には、至るところに金勢様が祀られている。
伝説によると、法相宗の僧侶だった道鏡は巨根だったとされる。そのため、時の女帝 孝謙天皇に重用されていたとされる。
しかし上野国から下野国の峠越えの際、道鏡は自分の男根が大きく重すぎて峠が越えられなかったため、孝謙天皇に捧げるために峠で男根を切り落としたとされる。これが峠に祀られ、ここに金精神社が建てられたとしている。
この金精神社は、現在の日本ロマンチック街道である国道120号から少し外れたところに鎮座している。ただのこ金精神社は参拝困難であるため、この神社の周辺、現在の栃木県や群馬県を中心として各地に分祠(勧請)され、現在に至るともされている。
愛媛県宇和島市藤江1340に鎮座する多賀神社は、主祭神が国生みの神である「伊邪那岐命」である。
ここには男根神輿こそ無いようだが、境内には男根の木彫りや石像が幾つか見られるほか、「多賀神社性文化財凸凹神堂」なるものがある。日本のほかアジア各国から収集した貴重な性文化財数万点が展示されているという。
凸凹神堂での説明書きによれば、当時の神主「久保盛丸」は春画画家であり、遂に悟りを開き「大生殖宗」なる宗派を開基、ここに凸凹寺を建てたのだという。ただし凸凹寺は寺ではなく、陰陽研究の道場と書かれている。
入館料は一般800円だが未成年者入館禁止という、神社の資料館としては異例の18禁となっている。
南紀白浜、和歌山県西牟婁郡白浜町に鎮座する阪田神社、通称 歓喜神社も、上の多賀神社と並んで有名どころである。
境内には大小様々な男根の像があり、本殿には陰陽石が置かれている。摂社には人の背ほどもある男根が御神体として何本か祀られている。
金精神を祀る神社の神輿に乗せられる神聖なるご神体は、男性の一物を模したものであることが多いが、大根などで男根を模して舞い五穀豊穣を祈るような祭りもある。
いずれにせよ男根が練り歩くことになるが、慎ましく神輿に乗る金精神がいるかと思えば、やたら巨大でど派手な色の金精神が公然と練り歩くこともあり、日本各地の金精神のお祭りは、一般に「奇祭」として分類される。
「田縣神社豊年祭」や「かなまら祭り」など有名な祭りは、世界各国から観光客が訪れるという。
奈良県明日香村、飛鳥坐神社で毎年2月の第一日曜日に行なわれる、おんだ祭こと御田植祭は、西日本四大性神事の一つなどともされ、また「奇祭中の奇祭」などと呼ばれる超奇祭である。
天狗が股間の竹筒に御神酒を入れて「しごき」、その後お供えのご飯に「ぶっかけ」、さらにはお多福への「種付け」が神事として神妙に執り行なわれ、最後はいわゆる使用済みの紙「拭くの紙」(福の神)を観客に投げて取り合いをするなど、フルコース揃う超奇祭である。ただし、神事なのでお多福の中の人も男性である。
愛知県小牧市田県町152に鎮座する田縣神社の祭事である。とりあえず公式サイトのいきなりの写真を見れば、何も言わなくても全てが分かろうというもの。
田縣神社の祭神は、御歳神(ミトシノカミ)と玉姫命(タマヒメノミコト)の二柱。御歳神は須佐之男命の孫であり大歳神の子とされ、玉姫命は尾張地方開拓の祖神である大荒田命(オオアラタノミコト)の王女とされている。
この田縣神社では毎年、直径60cm、長さ2mあまりの男根「大男茎形」を檜で新しく作る。伝承では、この陰茎は稲を食い荒らすイナゴ除けまじないであるとしており、もって神輿には祭神である玉姫命の背君「建稲種尊」の御神像と共に、この大男茎形をお供え物として納め、それを厄男達が御輿に担いで練り歩いて五穀豊穣、万物育成、子孫繁栄を祈願するという。
神奈川県川崎市川崎区、若宮八幡宮境内にある境内社「金山神社」の「かなまら祭り」は、金精神のお祭りとしては全国でも有数の知名度を誇る。
祭りでは、三基の神輿が巡幸する。
最も古い神輿。中に、上を向いた木製の男根が納まっている。
黒光りする上を向いた鉄製の男根が納められている神輿。日立造船より寄贈された。
上を向いた、ど派手なピンク色の男根の神輿で、これのみ屋根が無い。女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈された。
上二つの神輿は原則として氏子中が担ぐが、これのみ、エリザベス会館の女装男性やふんどし姿のニューハーフらが担ぐ。かけ声も他と違い「でっかいまら!かなまら!」などとしており、明らかに雰囲気が違う。
報道ではピンク色が強調されることが多いが、変な色なのはピンクだけで、他の二つは安心の黒光り。
ここの祭りは恥知らずらしく、屋台の手作り飴として「チンコPenis」「マンコPussy」などと書かれていて、赤と白でそのまんまの手作り飴が売られていたりして頭がおかしい。バナナチョコもチンコ型で「ばなちん」とされている。全体的に品が無い。
更に加えて「ゆるキャラ」もあり、チンコの姿をしつつもどこかガチャピンのような姿の、その名も「ガチャチン」なる着ぐるみが登場する。また、相方は「ムッケ」とされている。品だけでなく常識も足りないようである。
岩手県花巻市の大沢温泉の大久保山にはコンセイサマを祀る金勢神社があり、本尊は木製の大きな男根である。
毎年祭りの日には、御神体は山を下りて大沢温泉の露天風呂に入浴するという儀式がある。
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