言語

読み:げんご
外語:language 英語 , lingv/o エスペラント
品詞:名詞

音声や文字などにより人間が互いの交流を目的として行なう表現。

目次

自然発生し今に至る言語を「自然言語」という。対して人為的に作られたものは「人工言語」という。

人工言語にも色々あるが、プログラミング言語のようにコンピューターに対する命令として使われる以外には、殆ど普及はしていない。かろうじてエスペラントに知名度がある程度である。

自然言語(人間の言語)の数は方言の数え方にもよるが、方言を大雑把にまとめても少なくとも5000言語はあるとされる。

それらをまとめる語族は一説には62あり、その中でも大きな語族が12あるとされる。

分類

言語は、同一の起源から枝分かれして現在に至ることが知られ、祖を等しくする言語をまとめて語族(大語族)という。

語族を分けて語派、語派を分けて語群、のように細分化する(語族→語派→語群)が、この分類は学説によって異なることがある。

語順(文型)

同じ語族であっても、文型(語順の規則)が異なることもある。

語族と文型には相関関係はない。

ヨーロッパ系言語のインド・ヨーロッパ語族だけで見ても、英語はSVO文型だが、ドイツ語はSOV文型(日本語と同じ)であるなど、差異がある。

表現

単語の文法的な機能を現わすための表現方法も言語ごとに様々で、次のような方法がある。

屈折語
単語自体の語形を変化させる言語。スペイン語、イタリア語などが該当する
膠着語
単語に文法要素を表わす断片を連結する言語。日本語などが該当する
孤立語
語順で表現する方法。支那語・タイ語などが該当する
抱合語
動詞に主語や目的語などの要素が密着し、文全体が一語のようなまとまりを形成する。アイヌ語などが該当する

名詞が文の中で持つ役割をという。

格を持たない言語は極めて希で、殆どの言語は何らかの方法で格を表わす。

インド・ヨーロッパ語族の言語は名詞自体が格によって変化する(格変化)ことが多く、日本語の場合は助詞(格助詞)を附して格を表わす。

話者の多い言語

話者の多い順に、トップ20前後(概ね話者数5000万人以上)は次の通りとされている。

正確に話者数を集計できているわけではないので、順位については3から5位程度の揺れが生じているため(資料により異動が大きい)、順位は参考程度とすること。

なお、支那語(いわゆる中国語)はひとつではない。ここでは分けて集計した結果を示す。

  1. 支那語 普通話 (支那・チベット語族 / 支那語派)
  2. スペイン語 (インド・ヨーロッパ語族 / ケルト・ロマンス語派)
  3. 英語 (インド・ヨーロッパ語族 / ゲルマン語派)
  4. ヒンディー語 (インド・ヨーロッパ語族 / インド・イラン語派)
  5. アラビア語 (アフロ・アジア語族 / セム語派)
  6. ベンガル語 (インド・ヨーロッパ語族 / インド・イラン語派)
  7. ポルトガル語 (インド・ヨーロッパ語族 / ケルト・ロマンス語派)
  8. ロシア語 (インド・ヨーロッパ語族 / バルト・スラヴ語派)
  9. 日本語 (日本語族)
  10. パンジャーブ語 (インド・ヨーロッパ語族 / インド・イラン語派)
  11. ドイツ語 (インド・ヨーロッパ語族 / ゲルマン語派)
  12. ジャワ語 (オーストロネシア語族 / ポリネシア諸語)
  13. 支那語 呉語 (支那・チベット語族 / 支那語派)
  14. マラーティー語 (インド・ヨーロッパ語族 / インド語派)
  15. テルグ語 (ドラヴィダ語族)
  16. ベトナム語 (オーストロアジア語族 / モン・クメール語派)
  17. フランス語 (インド・ヨーロッパ語族 / ケルト・ロマンス語派)
  18. 朝鮮語
  19. タミル語 (ドラヴィダ語族)
  20. 支那語 広東語(粤語) (支那・チベット語族 / 支那語派)
  21. トルコ語 (アルタイ諸語 / テュルク諸語)
  22. プシュトゥー語 (インド・ヨーロッパ語族 / イラン語派)
  23. イタリア語 (インド・ヨーロッパ語族 / ケルト・ロマンス語派)

母語人口(ネイティブスピーカー数)で言えば、実は日本語はドイツ語やフランス語よりも多い。しかし日本語話者の殆どが、かなり狭い島に集中しているため、万が一の際には消失するリスクは高いといえる。

話者のいない言語

言語の存続は、同じ言語を母語として話すグループの存在に依存する。

従って、その民族の滅亡や、あるいは他の言語へ切り換えたり、吸収されたりすると、話者が無くなり、言語は消滅する。このような言語は死んだ言語「死語」という。

一度死語となって復活を遂げることは、ヘブライ語などの例外を除いてはほぼ存在しない。ヘブライ語は死語から復活したとされるが、日常語としては一度消滅したものの、僅かながら使用者が継続して存在していた。

また、西ヨーロッパを中心に広く使われていたラテン語も今や母語とする話者はなくなっている。ヘブライ語が死語になったというのであれば、ラテン語も同様のことが言える。但しラテン語は、今もバチカン市国の公用語であり(但し日常会話はイタリア語)、また学名もラテン語で付けられることになっている。

派生して、人間以外の動物の鳴き声などを言語として扱う学問もある(鳥の鳴き声など)。

その他に、コンピューターで用いる表現方法も言語と呼ぶことがある(→プログラミング言語)。

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