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日本国憲法第3章にある日本国憲法の条文の一つで、思想・良心の自由を規定する。
条文は次の通り。
第三章 国民の権利及び義務
第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
日本国首相官邸公式サイト掲載の英文(正文ではない翻訳)では、次のようになっている。
CHAPTER Ⅲ. RIGHTS AND DUTIES OF THE PEOPLE
Article 19.
Freedom of thought and conscience shall not be violated.
民主主義が成り立つためには、国民が自由な思想を持つことが必要である。それを保証するのが、この条文である。
国民は、どのような思想や信条を持っていても、それが内心に留まる限りは許される。この条文では、内心には絶対的な思想の自由が認められている。また内心に留めつづける自由もあり、思想調査などをされ、もって罰を受けるようなことは憲法違反となる。
なお、この条文は個人や私企業には適用されないので、三菱樹脂事件の最高裁の判例により、企業が特定の思想信条を持つ者の雇い入れを拒んでも憲法違反にはならない。
思想信条の自由、その甘美な響きは悪用する者に大変便利であるため、この条文はよく悪用されており、もって裁判の判例も数多い。
なお、自由は濫用してはいけない旨も日本国憲法第12条で規定されているが、憲法を悪用する者たちからは都合が悪いので無視される。
憲法上「内心の自由」と明記されているわけではないが、内心に留まらない自由勝手な行動は、明らかに公共の福祉に反することから制約を受けることが多い。
常識的な道徳観で言えば、「思想の自由」と称し、人に迷惑を掛けてまで自分だけ権利を主張する人は、「人のクズ」というのである。
1999(平成11)年、東京都日野市にある市立小学校の入学式で、女性音楽教諭が校長より君が代のピアノ伴奏の職務命令を受けるが、「思想・信条上できない」として拒否、職務放棄をしたことから戒告処分を受けた。これを不服として都教育委員会を相手に処分取り消しを求めた訴訟がある(なお、小学校名と教諭の実名は報道されていない。年齢は最高裁判決時53歳)。
これを不服に控訴するが、控訴審の東京高裁もほぼ同様の理由で控訴棄却、教諭は上告した。
2007(平成19)年2月27日、上告審の最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は「伴奏を命じた校長の職務命令は、思想・良心の自由を保障する憲法19条に反しない」という初判断を示し、教諭に上告棄却の判決を言い渡した。
5裁判官中4人の多数意見で判決が決定した第三小法廷は、次の理由で伴奏命令は合憲であるとしている。
更に、次の指摘も加えられた。
もって、思想信条に関わらず、公務員は職務命令を粛々と遂行せねばならない旨、判例となった。
国旗国歌に反対する教師、一般に日教組と呼ばれる朝鮮シンパや元朝鮮人は、学校教育に支障を来たしている。訴訟も相次いでおり、どの訴訟も教員側敗訴だが、2011(平成23)年に続々と確定した判決のうちの幾つかを紹介する。
2004(平成16)年3月、東京都立高校の卒業式で「国歌斉唱の際は、国旗に向かって起立」の校長命令を無視した教諭の申谷雄二が戒告処分を受けた。2007(平成19)年3月に定年退職する前に「嘱託員」としての再雇用を申請したが不採用となったため、これを不服として都に損害賠償などを求めて提訴した件である。
同小法廷は、上告棄却の判決理由を次としている。
裁判長含む5人の裁判官全員一致で「合憲」の判決であり、うち3人の裁判官が補足意見を付けた。うち、竹内行夫裁判官は「他国の国旗、国歌に対して敬意をもって接するという国際常識を身に付けるためにも、まず自分の国の国旗、国歌に対する敬意が必要」とした。
無法公務員の同様の敗訴は、2011(平成23)年に判決確定の訴訟はこれが1件目で、以降、続々と判決が出た。
上の①とは別に、2003(平成15)年〜2005(平成17)年の卒業式などで「国歌斉唱の際は、国旗に向かって起立」の校長命令を無視し戒告や減給処分を受けた教職員ら13名が、定年退職前に再雇用を申請したが都教委から処分を理由に不合格とされたため都を相手に提訴していた件。
同小法廷では5人中4人が合憲と判断し、上告棄却の判決理由を次としている。
反対意見を述べたのは宮川光治裁判官。
無法公務員の同趣旨の訴訟は、①からわずか一週間で再び敗訴となった。無法公務員の同様の敗訴は、これで2件目。
上の①②とは別の件。東京都町田市の教諭と八王子市の元教諭2名の計3名が2004(平成16)年の卒業式などで起立斉唱を命じた校長命令に従わず国歌斉唱時に起立しなかったとして、東京都教育委員会から戒告の懲戒処分を受けた。
校長の職務命令は違憲だとし、命令違反を理由とした戒告処分の取り消しなどを都に求めた件。
無法公務員の同趣旨の訴訟は、②からふたたび一週間程度で敗訴となった。無法公務員の同様の敗訴は、これで3件目。
裁判官5人中4人による多数意見だった。反対したのは裁判長で「起立命令と斉唱命令は区別して考えるべきで、斉唱命令は思想と信条の内心の核心部分を侵害する可能性があり、さらに審理を尽くすべきだ」とし、高裁に差し戻す反対意見を述べた。
卒業式や入学式で、国歌斉唱時、起立を拒否し職務命令に反したとして広島県の県立高校などの教諭が戒告処分となった。これを不服とし、国旗に向かっての起立は違憲として42人が、県教育委員会の処分取り消しを求めた件。
次の理由で請求棄却の判決を言い渡した。
原告団は不服として控訴した。
控訴審の広島高裁(広田聡裁判長)も、ほぼ同様の理由で控訴棄却した。
原告団は不服として上告した。
最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は、請求を退けた一、二審判決を支持し上告棄却。敗訴が確定した。
裁判官5人中4人による多数意見だった。
無法公務員の同趣旨の訴訟は、東京都③からわずか一週間で再び敗訴となった。無法公務員の同様の敗訴は、これで4件目。
神奈川県教育委員会は2004(平成16)年11月、県立学校長に対し起立斉唱の指導徹底を求める通知を出した。
これに対し、式典で国旗に向かって起立し国歌斉唱を強制されるのは思想・良心の自由を侵害しているとし、神奈川県立高などの教職員ら130名が県を相手取り、起立斉唱の義務がないことの確認を求める訴訟を起こした件。
「教職員らは起立斉唱命令に従う義務がある」とし請求棄却
原告団は不服として控訴した。
「通知は指導であって、義務を生じさせる命令に当たらず、訴え自体に理由がない」とし訴えを却下
原告団は不服として上告した。
最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は、請求を退け、訴えを却下した二審東京高裁判決が確定した。
無法公務員の同趣旨の訴訟は、広島県の翌日、再び敗訴となった。無法公務員の同様の敗訴は、これで5件目。
2004(平成16)年3月、東京都立板橋高校の卒業式で君が代斉唱時の着席を叫び、式を妨害したとして、元同校の教諭(当時)藤田勝久が威力業務妨害の罪に問われた件。
起訴状によると、『藤田勝久被告は同校体育館で保護者席に向かい「この卒業式は異常です。国歌斉唱の時、教職員が立って歌わないと処分されます。できたら着席をお願いします」と呼び掛けた。校長らに退場を求められると「触るんじゃない。おれは社会科の教師だ」などと大声を上げた。』とのことである。
初公判は2005(平成17)年4月21日に東京地裁(村瀬均裁判長)で開かれたが、藤田勝久被告は「式に影響はなく、思想・良心の自由への不当な介入だ」と無罪を主張。
この条文の、GHQ草案は次のとおり。
CHAPTER Ⅲ. Rights and Duties of the People
Article ⅩⅧ.
Freedom of thought and conscience shall be held inviolable.
第三章 人民ノ権利及義務
第十八条 思想及良心ノ自由ハ不可侵タルヘシ
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