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なぜ貨幣の名が「円」になったのかは、定説がない。
主な説は、次の通り。
補助貨幣の「銭」は、アメリカ等で使われるセントに由来するが、このセントは元々はcmのセンチと同様、1/100を表わすものである。
円はローマ字表記ではEnではなくYenである。
Enであると、英語圏ではエンと読まず、アンやインなどと発音してしまうため、頭にYを付けたのが由来とされる。これならイェンと発音され、エンに近い。
通貨記号¥は$にならい、このYに棒を引いたものである。縦棒や横棒一本では他の記号と見誤るおそれがあったため、横棒二本を引いた。
日本円を外貨と交換することができる。
この時の、日本円に対する、外貨の相対的価値(為替レート)を「円相場」という。
基本的には米ドルを介して外貨と間接的に交換するため、米ドルに対する相場が重視される。
日本円と直接交換されている通貨は「ストレート通貨」という。現在の円のストレート通貨は、米ドルと人民元だけである。
南鮮ウォンなどとは直接取り引きしていない。円をウォンに変える時は一度ドルに交換する。
直接交換されない通貨は「クロス通貨」といい、交換レートはクロスレートと呼ばれ、日本円とであれば「クロス円」と呼ばれる。
クロスと呼ばれる理由は、途中に他の通過が介在するからである。例えばEUR/JPYの場合、直接取引がないので買う場合にはドルを介在し、EUR/USD買いEUR/JPY売りの合成でEUR/JPYを買うことになる。
簡単には、例えばユーロと円を両替する場合、ユーロドルストレートと円ドルストレートのレートを掛けあわせることによりユーロ円レートが決まり、交換出来る。これに手数料を加算したものが、実際の交換費用ということになる。
銀行で、円からユーロに替えるのに、一旦ドル紙幣が出てきたりはしないが、建前上は二度交換したということになっている。
次のような組み合わせは、この交換方法による(順不同)。
円という字は圓の略字である。
ちなみに、支那では圓の略字は元である。
また日本によって文明や通貨制度がもたらされた東支那半島(朝鮮半島)の通貨単位ウォンは漢字では圓と書く。東支那半島ではウォン(圓)の補助通貨にチョン(銭)があるが、これも日本の古い通貨単位である。なお南朝鮮ではチョン(銭)は廃止され、現在は北朝鮮のみで使われている。
つまり、円(えん)、元(げん)、圓(ウォン)は同じ漢字である。これは例えばディナールやドルが、アメリカドル、オーストラリアドルと言うように、あちこちの国でばらばらに使われているようなものと思えば良い。
このことから、日本円を「JPY¥」、人民元を「RMB¥」と表記する場合もある。
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