天火明命

読み:アメノホアカリノミコト
品詞:名

日本神話に登場する神。別名多数。称辞は天照国照彦。

目次

天火明命は古事記での名で、日本書紀では火明命と記される。

古事記や日本書紀の一書では天忍穂耳命萬幡豊秋津師比売命の子とし、邇邇芸命は弟としているが、日本書紀の他の一書では邇邇芸命を父とするものがある。

京都府宮津市にある元伊勢の一社、丹後国一宮 元伊勢籠神社では、天火明命を彦火明命として主祭神とする。また、主祭神 彦火明命の妻を、天照大神と須佐之男命の誓約において天照大神が産んだ三女神のうちの一柱である市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)であるとしている。

彦火明命(天火明命)は日本の氏族である海部氏(あまべうじ)の祖神とし、籠神社では創建より海部氏が宮司を世襲している。

また宮司を代々世襲する海部氏には系図「海部氏系図」の写本が残され、本系図と、本系図に注記を附した勘注系図からなるこの系図では彦火明命を始祖として第34世までが記されており、神代にまで遡るこの貴重な古文書は現在国宝となっている。勘注系図では邇邇芸命が降臨するよりも前、天火明命は現在の近畿地方に降臨して国を造り海部氏の祖となったとされるが、このように記紀はもちろん他の史料にも見られないような記述が散見されるため、その真贋については議論がある。またこれが事実であると仮定するならばそれはそれで大きな問題であり、皇族の地位というのは天照大神の正当な後継者だという所にあるが、天皇陛下よりも更に正当な後継者(天孫降臨した邇邇芸命の兄から連なる一族)が存在することになれば、それは皇室よりも更に地位が上ということになるからである。

用語の所属
日本神話
神道
天津神

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