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使用言語がインド・ヨーロッパ語族のうちゲルマン語族派に属し、人種学上は北方人種の型に属し、金髮・碧眼・長身を特徴とする、中世以降のヨーロッパ住民の基幹となる民族。テュートン人ともいう。
ゲルマン民族の起源は紀元前10〜6世紀とされる。現在のスウェーデン人、デンマーク人、ノルウェー人、アイスランド人、アングロ・サクソン人、オランダ人、ドイツ人などが含まれるが、普通は民族大移動前の古ゲルマン人を意味することが多い。
原住地はスカンディナヴィア半島南部から、ユトランド半島、北部ドイツ地域であったが、ケルト人を圧迫しながらライン・ドナウ河の北側一帯に広がる。はやくより西方及び南方に広がり、北ゲルマン・西ゲルマン・東ゲルマンに大別される。紀元前1世紀頃からローマ帝国と接触し、一部はローマ社会に融合し、他は離合集散を繰り返して民族大移動期を迎える。
372年頃から始まったフン族の西進は、フン族がゲルマン民族最東端の東ゴート族を征服すると、ゲルマン民族大移動を引き起こし西ゴート族はバルカン・イタリアを経て南フランス・イスパニアに入り、東ゴート族はイタリアに入った。またフランク族は北フランスに居住地を拡大し、アングロ・サクソン族などはイギリスに移動した。西ローマ帝国はこの移動の嵐の中で滅亡し、ゲルマン諸族は旧ローマ帝国領の各地に建国し、中世ヨーロッパの基礎となった。
民族大移動期以前の古ゲルマン人の記録には、カエサルの "ガリア戦記",タキトゥスの "ゲルマニア" が有名だが、それによるとゲルマン人は多くの部族に分かれており、政治的にはキウィタスとよばれる国家を基本として全自由民男子の民会がその最高機関を構成し、王または首長とよばれる貴族がこれを指導した。原始民主制を色濃く残しているが、階級分化はかなり進んでいたことも貴族や奴隸の存在から知られている。経済活動はすでに定着農耕・牧畜が始まっており、土地所有も平等ではなかった。
なお、ゲルマン魂のように使われる場合は、一般的にドイツのことを意味する。
ちなみに、ドイツ語でドイツ語/ドイツ人を表わす名詞Deutsche(形容詞はdeutsch)は、古代ドイツ語で民衆を意味するDiutscから発生し、後にゲルマン民族を表わす言葉となった。すなわち、ドイツの国名Deutschlandとは、ゲルマン民族の住む国、という意味である。
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