ノルマン人

読み:ノルマンじん
外語:Normas 英語
品詞:名詞

ゲルマン民族のうち、デンマーク・スカンディナヴィア半島を原住地とする北ゲルマンで、北方人の意味であり、ヴァイキングともよばれた。これはvik(峽江)に由来し、"峽江から来た者" を意味する。

4世紀末からのゲルマン民族大移動には参加せず、狩猟や漁撈を営んでいたが、人口増加による土地の狭隘化や氏族制の解体による部族間の抗争により、海外に新天地を求め移動を開始した。

もともと航海術に長け、冒険心旺盛なノルマン人は8世紀頃から足の速い独自の船で各地に進出し商業や略奪を行なっていたが、やがて島や河口を中心に定着を始め、内陸に侵攻し征服、建国するに至り、第二の民族大移動とよばれる。

8世紀末よりフランク王国への侵入を始めたが、カール大帝に撃退されていた。大帝の死後セーヌ河とロアーヌ河口に基地を作り、9世紀にはパリなど内陸都市を攻撃、シャルル9世は911(延喜11)年に首長ロロを改宗と服従を条件にノルマンディー公に封じ、同地方を与えた。同じく8世紀末よりイングランドへ侵入を始め、9世紀にはデーン人と呼ばれ、東岸を支配した。1016(長和5)年にはクヌートがイングランドを征服し、デーン王朝を創始した。その後、1066(治暦2)年にはノルマンディー公ウィリアムが"ノルマン・コンクェスト" を行ない、ノルマン王朝を開きイングランドは北欧圏から脱し西欧圏に入ることとなる。

11世紀以降、地中海にも進出し南イタリア全土を征服して、1130(大治5)年に両シチリア王国を築いた。

スウェーデン系のノルマン人はバルト海方面に進出、スラヴ人に傭兵として招かれ、ワリヤーギと呼ばれていた。862(貞観4)年、ルーシ人の首長リューリクはノヴゴロド国を建設、これがロシアの起源とされる。その後都をドニエプル川中流のキエフに遷しキエフ公国を建て、10世紀末までには完全にスラヴ化した。

ノルウェー系のノルマン人は早くからスコットランド北方に進出し、9世紀にアイスランドを発見し移住し、10世紀にはグリーンランドへ渡り植民地を建設した。その後も北アメリカに足跡を残すなどした。

関連する用語
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デーン人

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