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ケーブル一本でEthernetの通信と電源供給を行なう規格。
当初規格はIEEE 802.3afで規格化、拡張規格はIEEE 802.3atで規格化されており、Ethernetのケーブル(ツイストペアケーブル)を利用して電源を供給する技術である。
元々はCisco Systemsの独自規格で「シスコインラインパワー」と呼ばれていた。この仕様に改良が加えられ、業界標準となった。
供給電圧はDC−48V(前後)。給電能力は着々と拡張されている。
Ciscoは、更に60W給電に対応した「Cisco Universal Power Over Ethernet」(UPOE)の標準規格化を目指している。
機器を、電源を供給しにくい所に配置する場合に有効とされている。
高所への設置が必要な無線LANのアクセスポイントやWebカメラなどは、電源を取りにくい。こういった装置への給電に、有効である。従って、このような装置では近年、PoE対応が増えて来ている。
電源は、ACアダプター等から専用装置で給電したり、対応するHUBやルーター、あるいはUPSから給電する、というスタイルが考えられる。
元々はCisco IPフォン用として7W供給から始まった。Ciscoは、オフィス内にある大量のACアダプターは見た目の悪さだけでなくレイアウト変更の際にも不便で無駄が多いとし、今後あらゆるネットワークデバイスにUPOEを活用し、ACアダプターを無くして行く意欲を示している。
Power over Ethernetでは、PSE(Power Sourcing Equipment)とPD(Power Device)の動作原理を定義している。
PoE+と呼ばれるIEEE 802.3atはType 1とType 2があり、Type 1はIEEE 802.3afと同じである。上位互換が確保されている。
PoE+では30Wを供給するため、導体径の太い、Cat 5e以上のケーブルが要求されている。
給電機器は受電機器を認識すると電力供給を開始するが、次に、受電機器にどの程度の電力を供給するかの電力クラス分けを行なう。
PoEの標準規格IEEE 802.3afでは、受電機器が一つあたり最大12.95Wと規定されているが、全てが全て、この電力を必要とはしない。そこで節電のために、この機能がある。
この機能の実装はオプションとされていて、実装しない場合は無条件で最大電力を供給する、とされている。
これも、受電機器の抵抗によって認識される。給電機器は受電機器のポートに15〜20Vの電圧を掛けて検出する。安全のため、電流は100mA以下、時間は75ms以下とされている。
対応する受電機器のコントローラーICは、入力される電圧により、検出用抵抗を接続するか、電力クラス分け抵抗を接続するか、双方を外すか、を選択している。最初の認識と、電力クラスの認識で与える電圧が違うのは、この理由による。
PoEでは、5つの電力クラスに分けられる。
抵抗が検出されない場合や、現在未定義のクラス4と認識された場合、給電機器はその受電機器をクラス0として給電する。
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