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ネットワークを利用して時刻情報を受け渡す通信プロトコルで、代表的なもの。ポートは123/udpを使用する。
NTPも、TIMEプロトコルなどと同様に1900年1月1日 00:00:00(UTC)からの経過秒数を無符号の32ビット値で返す。加えて、小数点以下の秒情報を無符号の32ビット値で返す。
その他に、そのNTPサーバーが時刻を得た源が何であるかといった情報や、誤差情報などのソースの性能情報、サーバー・クライアント間のネットワーク時間を吸収するための機構なども備わっている。
NTPは必要と思われるあらゆる機能を含んでいる関係から、大変複雑怪奇な仕様と化している。そこで、機能を普段必要なものだけに制限した簡易版のSNTPが作られた。当初は簡易版として別のRFCが存在したが、NTPv4からはSNTPを吸収している。
対策方法は大きく二種類が考えられる。日時部分の値を64ビット長に伸ばすか、または32ビットのまま維持しその扱いを変更するか、である。SNTPv4(RFC 4330)およびそれを取り込んだNTPv4では対応案が提案されており、後者が選ばれた。
秒数は32ビット無符号の数値だが、この最上位ビットを見て動作を変更する。これを著している2018(平成30)年現在、日時を表わす情報は最上位ビットが立った状態である。また、最上位ビットが0つまり立っていない最後の年は1968(昭和43)年だった。
さて、NTPが送信するのは「現在日時」であるので、過去が表現できなくても何の問題もない。そこで、次のようにする。
今のうちから、このように実装を改めれば、特段大きな問題にはならないと考えられる。
この解決方法は同時に2104年問題を含むことになるが、この年が近付いた頃に同様の対応をすることで、問題なく対応できるものと考えられている。
NTPは便利なものだが、外部から123/udpに侵入され不正な時刻が設定されるというセキュリティ上の問題もある。
例えばKerberos等の時刻を基準としたチャレンジ&レスポンス型のパスワードを利用する機構の場合、時刻を変更されることで同じチャレンジが再び使われる可能性がある。
福岡大学は日本初のNTPサーバー(clock.nc.fukuoka-u.ac.jp)を1993(平成5)年から公開している。
このサーバーのアドレスが各種時計合わせアプリのデフォルトとして設定されたり、ブロードバンドルーターのファームウェアに設定されたりしたため、2005(平成17)年頃にはアクセスが毎秒900件を超えるようになり管理者を悩ませることとなった。
2017(平成29)年10月のENOG47 MeetingではNTPだけで180Mbpsの帯域を消費しており、毎秒21万の時刻要求があることが紹介された。
そしてついに2018(平成30)年1月のJANOG41 Meetingで「福岡大学のNTPは停止します!」と発表された。
ただし、単純にNTPサーバーを停止させるとリクエストパケットが極端に増大することから、停止に向けた技術検証が行なわれる。
日本の独立行政法人情報通信研究機構は2006(平成18)年6月から一般向けに日本標準時と直結されたNTPサーバー(ntp.nict.jp)を提供している。
公開された時点で毎秒100万リクエストを処理可能であるとしている。
NTPはその仕組み上、ネットワーク的な距離や物理的な距離が近いほど正確な時刻を取得できる。
そのため、自分が直接接続しているネットワークのISPが提供するNTPサーバーへアクセスするのが最善の設定である。
使用しているISPがNTPを提供していない場合には、NICTのNTPサーバーを使用するのが次善の策だろう。
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