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元をitで参照し、戻り値は任意の型を返すことができるスコープ関数である。
Kotlinにおいてitは予約語ではないので任意に変数として用いることが可能であるが、letのスコープ内では元のオブジェクトを暗黙的に一時変数名 it として設定する。
public inline fun <T, R> T.let(f: (T) -> R): R = f(this)
何も指定しなければ it になるところ、{} 内の記述をラムダ式として記載すると、それが変数名になる、
つまり obj?.let { hoge -> ...} のように書くことで、it の代わりの変数名を指定することができる(この例の場合はhoge)。
この動作の特徴を用いると、Javaであれば
if (hoge != null) { ... }
と書かれるところ、次のようにシンプルに書くことができる。
hoge?.let { ... }
hogeがnullであれば、?.呼び出しによりletは実行されず、nullが返される。
hogeがnullでなければ、letが実行され {} 内の結果が返される。この時、スコープ内ではitに元のオブジェクト(この例ではhoge)のnon-nullが設定されるため、?や!!を書く必要がなく、プログラムの記述もシンプルにできる利点がある。
次は、hogeがnullでない場合に、そのtoUpperCase()の結果を返しval upperCaseを定義する例である。
val upperCase: String? = hoge?.let { it.toUpperCase() }
ちなみにこのような単純な処理の場合、letは必ずしも必要なく、次のようにも書ける。
val upperCase: String? = hoge?.toUpperCase()
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