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PCMの要素には、「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」(別名、符号化データ長)がある。
サンプリング周波数が大きいほど高周波のアナログ信号を符号化でき、また符号化データ長が大きいほど音程精度が高まる。この二つの要素で、記録されるデータの品質が決定する。
例えば、音楽CD(CD-DA)の場合もPCMが使われており、サンプリング周波数は44.1kHz(1秒間に44,100回の標本化を行なう)、量子化ビット数は16ビット(216段階、つまり0〜65,535の65,536段階で符号化する)、となっている。
周波数もビット数も、大きいほど高音質となるが、増やせばその分だけ符号化されたデータ量も多くなり、処理に必要なプロセッサー能力も大きくなるため、均衡も必要である。
PCMで符号化された音声情報をファイルとして記録する場合、様々な形式のファイルが使われてきた。このようなファイルのことを「PCMファイル」という。
現在は、Microsoft Windows標準であるWAVファイルによって管理することが多い。この形式は実際のデータ以外に、データに関する諸元(サンプリング周波数や量子化ビット数などの情報)が含まれる。
MS-DOSの時代は、このような共通化されたフォーマットはなく、符号化されたデータをそのままファイルとした「データだけの」形式が一般的で、ファイル形式は拡張子で区別された。サンプリング周波数は環境によって概ね標準があったので、ビット長をPCMの後に付けてPCM4、PCM8、PCM16などと呼んだりもしていた。
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