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当初はNetscape Communicationsが、後にAOLが開発していたWebブラウザー。バージョン6から名称が短縮され、Netscapeが正式名称に採用された。
かつてはUNIX環境での事実上標準のWebブラウザーで、殆ど全ての種類のUNIXで動作していた。その後、パーソナルコンピューター用オペレーティングシステムにも移植され、一時期は標準的に使われた。
しかし、Netscapeは機能向上などがあまり無かったのに対し、ライバルのInternet Explorerは機能向上を続けた結果、Netscapeのユーザーは次第に減っていった。
それでも、Internet Explorer全盛の時代において、ほぼ唯一の対抗馬としての存在感を持っていたが、バージョン4.x時点でのスタイルシート(CSS)や多国語への対応の問題などが常々問題視され、特にWindows環境での普及率低下に拍車を掛けてしまったようである。
Netscape Navigatorは、数え切れないほどの意味不明なバグを抱えるソフトウェアであった。
まだNetscape Navigator在りし頃、当時の厨房がInternet Explorerを叩くのにセキュリティなどのソフトウェア面のバグをよく指摘していたが、自分の用いているNetscape Navigatorについては見てみないふりをしていたらしい。
Netscape Communicator 4頃のバグにはかなり酷いものが存在し、例えばスタイルシート(CSS)におけるline-heightのバグでレイアウトが異常になる、日本語などのマルチバイト文字のフォント指定をするとCSSの指定自体が無効となる、といったものがあった。必要最低限のレベルでさえ使い物にならない状態であったため、ここからNetscapeは徹底的に叩かれることになる。
製品であるNetscape Navigatorは当初有料の製品であったが、対抗するInternet Explorerは無料であり苦戦した。
Netscape Navigator 4.04からは無料配布が開始され、その次の版からはソースコードも無料で配布されるようになった。
このソースを利用してフリーのWebブラウザーを作るプロジェクト「mozilla.org」も実現したが、元々のNetscape Navigatorは予想通りバグが酷く、修正するよりも作りなおした方が手っ取り早かったため、一からの書き直しとなった。そのため上述の多くの問題は、mozilla.orgにより作られたGeckoを採用したNetscape 6以降で大幅に改善されることになった。
2003(平成15)年にAOLはWebブラウザー開発事業から撤退、Netscapeの歴史に幕を下ろすこととなる。
Netscapeのソースコードやサポート等は、Mozilla Foundationに受け継がれた。
一般に、Netscapeは「ネットスケープ」と読み書きされるが、これは正確ではない。
Netscape Communicationsの見解では、「"Netscape Navigator" と書いて "Mozilla" と読む」のが正しいとしている。
そのため、マニアユーザーは「NN」や「ネスケ」など、別の読み方を使う事が多い。もちろん、正しい呼び方は「モジラ」なのであるが、この呼び方はあまり人気がなかった。
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