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ジャストシステムの開発したパソコン用日本語ワープロソフトの代名詞。1985(昭和60)年2月に "jX-WORD太郎" という名で登場して、同じ年に "一太郎" へとバージョンアップした。名前の由来は、社長が大学時代に家庭教師のバイトをしており、そのときの教え子太郎君から来ている。彼は亡くなってしまったが、その思い出も込めて "太郎" と命名された。
まだMS-DOSが主流の時代に、一太郎は、使いづらいATOKしか使えない、遅い、操作性が悪い等、多くの問題を抱えつつも、性能でパソコン用ワープロの王者として君臨した。後にMicrosoft Windows版も発売され1997(平成9)年9月18日に累計出荷本数1,000万本を達成し、日本で最も販売本数の多いアプリケーションとなった。
各時代の標準よりはるかに多くのメモリーとCPUパワーを要求した。80286時代の主流だったバンクメモリーは使えず、その次のi386時代に普及するEMSを必要とするなど、技術的に新しいものを次々と利用者に要求し続け、この点で日本のパソコンの発展に大いに貢献した。これを "モノは言い様" という。
その後Windowsの世界ではMicrosoft Wordが標準となり、一太郎は影が薄くなってしまった。Microsoft Wordの操作性に満足できないユーザーからの要望によりWindows 95対応の一太郎7が登場し、さらに一太郎8も発売されたものの、そのあまりの処理速度に既存のユーザーも愕然とし、残念なことに、利用者離れに更に拍車を掛けてしまったと言われている。一太郎11になっても、"ATOKにオマケの巨大ワープロがついてくる" などという陰口を叩かれることもあるが、役所の一部(例えば農林水産省)では一太郎が公式に使われ続けている。
そこで、ノートパソコン用として "コンパクトで軽快に動作すること" を主眼に置いた一太郎Liteが登場した。電子メール "Shuriken" や、Webブラウザー "JustView 3.01" なども付属している。また、"100% Pure Java" のワープロソフトとしては初の快挙となる "一太郎ARK"(アーク)も発売された。
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