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1940年代にジョン・フォン・ノイマンの名で広く知られるようになったコンピューターアーキテクチャーの一つ。プログラム内蔵方式ともいい、現在の一般的な電子計算機は基本的にこの方式である。
この電子計算機は、主記憶装置(メモリー)上に格納された命令(プログラム)を順次呼び出して、一つずつ実行(逐次処理)する方式であり、チューリングマシンの原理に準じて設計されている。
この方式の発案はENIACおよびEDVACの設計者であるジョン・モークリー(John William Mauchly)とプレス・エッカート(John Adam Presper Eckert Jr.)で、フォン・ノイマンではないことが現在では知られている。
しかしこの発想は後からEDVAC開発に参加したジョン・フォン・ノイマンの単名で "First Draft of a Report on the EDVAC"(EDVACに関する報告書の第一草稿)とする文献が公開され広く伝えられた。これは著名な数学者の名前を使って名を揚げたい、EDVACを開発していたペンシルベニア大学側の思惑だったとされるが、このせいでモークリーとエッカートは反発し、プロジェクトから離脱している。
結果として、功績をノイマンが一人で奪う形となったことが原因となりモークリーとエッカートはEDVAC開発プロジェクトから離脱、このためEDVAC開発は大幅な遅延を余儀なくされ、世界初の実用的な「ノイマン型」コンピューターの完成はこの草稿に刺激され後から開発されたEDSACに奪われることとなった。
ノイマン型(プログラム内蔵方式)アーキテクチャーには、次のような特徴がある。
CPU(処理装置)とメモリー間の、命令やデータの転送を行なうバス部分の性能が処理性能全体に影響を及ぼすという構造上避けられない問題が常に存在し、これを「フォン・ノイマン・ボトルネック」と呼ぶ。
ノイマン型電子計算機の発展は常にこの限界との戦いであり、これを避けるために命令キャッシュやパイプライン式並列処理などの様々な技術が考案された。
全ての処理を逐次命令によって実現するため、演算速度(演算素子の動作クロック数で示される)が向上するほど、処理速度を向上させられる。
それまでのENIACなどの固定プログラム方式(演算素子自体が特定の処理を行なうようにあらかじめ配列されている)に比べて、単純な構造ながらも柔軟で多様な処理を実現できるという特徴がある。
逆に、逐次でしか命令を実行できないため、処理内容によっては膨大な計算時間を必要としたり複雑な問題のアルゴリズム(解法手順)の開発に大変な手間を要したり、人間が行なうような画像や音声の不完全な認識に対する探索等には向かないという弱点もある。
これらを解決するための方法として、様々な考え方による次世代の「非ノイマン型」のアーキテクチャーが研究されている。
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