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シャープが1997(平成9)年9月に開発した、26万色以上の色数と高輝度、高精細、高速応答を実現する反射型カラー液晶。
正式にはHR-TFT(High Reflective:高反射型TFT)と呼ぶ。
外光を反射することでバックライトを不要とし、明るい屋外で利用することができる。このため携帯機器に有利である。
世界で初めて実用域に達した反射型カラー液晶を開発したということで、1998(平成10)年の第8回日経BP技術賞の大賞を受賞している。
モノクロ表示のものは昔から実用化されていたが、カラー表示では輝度とコントラストが十分に獲得できない、色数の増強が難しい、などの理由で実用化が困難と言われていた。
そのため過去の反射型カラー液晶はどれも色数が少ない上に暗く、応答速度が遅いものばかりだった。
これを東北大学の内田教授の指導でTFTを駆動する電極自体に反射機能を併せ持たせるという新発想によるMRS構造(Micro Reflective Structure:マイクロ反射電極構造)と、シャープの持つスーパーHA技術(超高開口率化技術)を組み合わせて十分な輝度を得る反射効率を達成し、さらに新素材によって従来はカラー化のために2枚使っていた偏光板を1枚で可能にするHCR表示モード(High Contrast Reflection:高コントラスト反射方式)の開発によって初めて実現された。
従来のバックライトを使用する透過型液晶と比べ、超低消費電力(1/7)、薄型(1/3)、軽量(1/2)を実現する。
明るさ(入射光に対する反射率)約30%、コントラスト比10∶1、表示色数26万色以上、応答速度50ms(透過型同等)を達成するほか、反射板が画素電極と一体化しているMRS構造のおかげで斜めから見たときの二重映り(視差)も無くなっている。
反射型という特徴から、周囲が明るければ明るいほど輝度が向上し見やすくなるが、逆に暗い場所では従来の反射型白黒液晶と同様に全く見えなくなってしまう。これを解決するためにスーパーモバイル液晶を採用する機種の一部ではフロントライトなどを搭載することで解決を図っている。
1998(平成10)年8月に発売されたザウルスカラーポケット(MI-310)で初めて搭載された。
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