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分散コンピューティングの一種。
複数台の電子計算機(サーバー)を相互接続して集合(クラスター)化し、各電子計算機間で常時通信をしながら互いに状態を認識させ、緩く連結された構成のこと。
その目的は、信頼性確保のために作られる場合や、科学技術計算で膨大な計算を行なう時、スパコンの代用的あるいはスパコンの構成そのものとして使われる。後者はグリッドコンピューティングとも呼ばれる。
信頼性確保の場合、常時使用されるプライマリノード(クライアントは通常このノードに接続される)と、障害時に業務を引き継ぐ(テイクオーバー)ためのバックアップノードなどで構成される。
両者は常にデータの同期が取られており、プライマリに障害が発生した場合はバックアップが自動的に感知してテイクオーバー(引き継ぎ)手順を実行し、業務の切り替えを行なう。あるいは複数のサーバーで業務を分担して処理する分散環境としても利用される。
24時間無停止で運用される業務サーバーなどでは障害時の停止は致命的であり、またクリティカルな業務では運用切り替えに必要な時間による損害も多大なものとなる。クラスタリングは信頼性で劣るUNIX系ワークステーションサーバーなどで汎用機並のフォルトトレラント性を実現するために重要な技術であり、また分散化することでより高い処理性能を持たせることができる。
テイクオーバー時にはバックアップノードで各アプリケーションが再起動されることになるが、このときに障害発生時点までの状態に復帰する必要があり、この内容の記録と引き継ぎ方法は各アプリケーションによって異なる。
このためクラスタリングはハードウェアとオペレーティングシステム(OS)のサポートだけでは実現できず、サーバー内で運用される業務アプリケーションについても対応製品を用意する必要がある。
価格性能比から個々の計算機にパーソナルコンピューター(PC)を用いる場合も多く、その場合、特にPCクラスターと呼ばれる。
かつては1〜4UのラックマウントPCを用いることが多かったが、最近ではブレードサーバーによる構成もしばしば見られる。
これを著している時点で日本最速のスパコンは、このPCクラスターによる東工大のTSUBAMEである。
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