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イギリスの半導体メーカー。およびその製品名。当初はAdvanced RISC Machines社だったが、後にARMホールディングズになった。
ARM社は半導体メーカーではあるが、この会社自体は「マイクロプロセッサーの規格」を作るだけで、製造はしていない。
ではファブレスかと言うと、自社のブランドで売ったりもしないので違う。
この会社がやることは、ARMアーキテクチャという名のRISCプロセッサーの設計であり、ARM社が販売しているものは、ARMという名前の設計によるARMという命令セットを実装した、RISCプロセッサーの設計データである。
すなわち半導体製造メーカーはARM社からARMの設計のライセンスを受け、それを製品に組み込んで半導体製品を作っている。そして、この半導体はARMアーキテクチャプロセッサー、あるいはARMプロセッサーと呼ばれる。
ARMの設計は元々はパソコン用CPUの開発から始まっている。
イギリスのAcron社が、CPUに6502を搭載した自社製パソコンの後継機用として自社開発したもので、最初の製品が完成したのは1985(昭和60)年で、これはAcorn社のArchieというパソコンに搭載された。
Acorn社は小さな会社だったため、必然的に設計されたCPUも小規模なものとなった。Archie自体はあまり普及しなかったが、しかしARMプロセッサーは低コスト、低消費電力などのユニークな特徴から大当たりした。
そこでAcorn社はパソコン部門を売却、残った半導体部門をAdvanced RISC Machinesと社名変更し継続させることにした。
2016(平成28)年7月18日10:30(@104)、米CNBCが、ソフトバンクが英ARM Holdingsを買収することに合意したと報じた。
買収価格は320億ドル(約3兆3741億円)以上とされる。
ARM社はCPUコアの設計だけを担当し、シリコン以降の過程は他社に委ねている。この方式は、制御できる範囲が狭いという難点はあるが、他社が参入できるという大きな利点がある。
アーキテクチャーのみを管理して利益を上げるというビジネスモデルは、この分野ではあまり類例がないため、注目されている。
現在でもARMプロセッサーは進化を続けており、パソコン用プロセッサーとは異なるユニークな製品として、独自の地位を築いている。
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