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第17号科学衛星。JAXAが宇宙科学研究所(ISAS)だった頃から開発をしていた、月探査機。
2004(平成16)年度以降にJAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)のΜ-Ⅴロケット2号機で打ち上げ予定だったが打ち上げられず、遂に2007(平成19)年、開発中止が決定した。
月面に地震計や熱流量計などの観測装置を設置し、月の内部構造を探ることを主要目的とする。
観測装置はペネトレータと呼ばれる方法で、月の上空で衛星から切り離されて重力落下で月面に投下され、月の地下1〜3mに貫入させる。
月の起源を探るためには、月の材質を探ることが重要である。
特に月の内部に鉄に富む中心核があるかどうか、という点は、月の起源に関する様々な仮説を検討する上で極めて重要である。
核が存在するかどうか、存在した場合はその大きさはどれほどか、といったことを調査・研究することは科学的意義が大きい。この探査が成功すれば、月の起源の解明に大きな役割を果たすことができる。
元々は1995(平成7)年度に打ち上げが計画されたが、延期が続いた。
2003(平成15)年度中の打ち上げが一時決定するも、IHIエアロスペースが担当するペネトレータの不具合、ならびにΜ-Ⅴロケット4号機打ち上げ失敗により2004(平成16)年夏に延期された。
しかし今度はLUNAR-Aに搭載された米国MOOG社製の20Nスラスタ用推薬弁がリコール対象となり、修理後の返却時期は2004(平成16)年6月〜8月頃になった。
その上、ペネトレータと衛星との通信箇所に不具合が見つかり、この改良には更に3年が必要とされた。
当初予算122億円のところ、既に30億円を超過し、ペネトレータ完成を待っていた衛星本体も老朽化したことから、開発は断念された。
この老朽化した衛星本体は、今後、国産新型ロケットの試験1号機の性能確認に活用する、としている。
ペネトレータは完成せず、不具合が頻発したことから打ち上げることができなかった。一時は打ち上げ中止も噂されたが、種々の検討を経て対策方針が固まったことで、完成に向けて再度プロジェクトが始動はした。
しかし、これを載せる衛星の老朽化は止めることができず、2007(平成19)年にLUNAR-A計画は中止となったのである。
ペネトレーター自体の研究・開発は今後も続け、いずれはロシアや日本の月・惑星探査機への搭載を目指す、としている。
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