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米国海洋大気局(NOAA)の静止気象衛星の9号機で、第三世代GOESの一機。
ひまわり5号の後継MTSAT-1の打ち上げ失敗し、再開発のMTSAT-1Rの開発も遅延続きということで、ひまわり5号の代用が必要となった。そこでアメリカからGOES-9を無償で借り受け、そして2003(平成15)年5月22日に気象観測機能を交代することとなった。その日本での愛称がパシフィックゴーズである。衛星は無償で借り受けたが、その移動費用は日本側が負担している。
GOES-9は故障して隠居し、かつ耐用年数を3年も過ぎた衛星ではある。ただし1995(平成7)年に打ち上げ、1998(平成10)年に予備機として軌道上で待機していたため、働きづめのひまわり5号と違い余力は充分にある。しかしながら、引き継いだ翌日23日に画像が送られないトラブルが発生するなど、いきなりトラブルが発生した。
このGOES-9で撮影された画像情報は、一旦GOES-9用の地上受信設備で受信される。GOES-9とGMS-5では衛星の位置が違っており(GMS-5は東経140°だが、GOES-9は東経155°)、そのままでは雲の見え方が変わってしまう。そこで、地上設備で受信後、GMS-5で撮影したのと同じように見えるよう画像を加工する。その後、その画像をGMS-5へ向けて送信し、GMS-5はGMS-5の電波を待つ地上の受信設備へ向けて画像情報を送信するのである。こうすることで、GMS-5の受信局は設備改修をすることなく、GOES-9の撮影した雲画像を、GMS-5から、しかもGMS-5が撮影したかのような見え方で得ることができるのである。
運用中にも観測機器やセンサーは次々と故障し、正常な画像が送信できないことも少なくなかったが、2005(平成17)年6月28日12:00(@166)に後継のMTSAT-1R(ひまわり6号)に観測任務を引き継ぎ、その役目を終えた。
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