超臨界状態の水。374℃、218気圧を超える高温・高圧の下で、液体とも気体とも異なる状態となった水。
H2Oの臨界温度は647.096K(374℃)、臨界圧力は22.064MPaであり、臨界密度は322kg/m3である。
超臨界水の誘電率は2〜30程度であり、この値はヘキサン(誘電率1.8程度)などの無極性溶媒から、メタノール(誘電率32.6)などの極性溶媒に匹敵する。
すなわち、超臨界水は常温常圧の水には溶解しない、有機物質を溶解することが可能ということになる。
例えば臨界点付近では、温度一定で、圧力を変化させるだけで液体(密度が大きい)と気体(密度が小さい)を変化させられる。
またこの時、水の溶解性も変化するので、水という単一の溶媒で、混合物から特定のものを選択的に取り出すことが可能となる。
しかも溶媒が水なので、有機溶媒などを使う時と違い、その除去を考える必要が無いというメリットもある。
近年注目を集めているのが環境汚染物質の分解である。
超臨界水は高温であるため、湿式酸化が可能である。更に、臨界点前の水はイオン積が増大し加水分解反応を促進するため、フロンやPCBといった環境汚染物質を分解して水+二酸化炭素+無機塩にでき、有毒物質を出すことなく処分できることが知られている。
近年の論では、この超臨界水によって地球上に生物が誕生できた、とされている。
生物が誕生するためには、アミノ酸などの有機物が、蛋白質などの高分子になる必要がある。しかし、アミノ酸を繋いでポリペプチド、そして蛋白質を作る反応とは、アミノ酸から水を奪う反応(脱水反応)である。水中で洗濯物を乾かすことは、通常では有り得ない。
しかし深海中は高圧であり、ここにある熱水噴出孔からは高温高圧の超臨界水が噴出していることが知られるようになった。こうして海水中のアミノ酸は重合し、蛋白質が作り出された、と考えられている。
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