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物質の究極の要素は、粒子ではなく弦(ひも)である、とする理論。「超ひも理論」とも。
この理論でいう「超弦」「超ひも」とは、「凄い弦」ではなく、「超対称性を持った弦」を意味する。
それまで、物質の基本単位は粒子(0次元)と考えられてきたが、そうではなく、1次元の広がりを持った弦(あるいはひも)であるとする理論に、さらに弦が超対称性を持つという概念を導入した理論である。
弦の大きさは10−35[m]程度であるとされている。これはプランク長と概ね同程度である。
これは原子の大きさである10−10[m]と比較しても桁違いに小さく、太陽系と陽子ほどのスケールの違いが存在し、その実証自体が恐らく不可能と考えられていることから、物理学の理論としても必ずしも確固たる地位を占めているわけではない。
現時点では、まだまだ未完成で不完全な、試論(仮定)に過ぎないものである。
この理論を成立させるためには、9次元空間+時間で、10次元時空が必要である。また、この理論を包含するM理論は更に1次元を加えて11次元時空を要求している。
理論がこのような多次元を要求するのは、タキオンが存在しないようにするためである。タキオンは虚の質量を持ち、常に光速よりも速く移動する粒子だが、現実にこのような粒子はこの世に存在しない。この粒子を否定するためには、必然的に10次元以上が必要となったのである。
理論において「超弦」は、この世界で、振動したり、閉じたり開いたりしている。こうして多様な素粒子の世界は、たった一本の基本的な「弦」の異なる挙動として説明することができる。
振動は無限に存在するので、対応する素粒子も無限である。このうち、最も低い振動に対応するのがクォークやレプトンといった素粒子、ならびに重力子や光子などの媒介粒子であるとされている。これはさらに、振動如何では未知の素粒子が存在しうることをも示している。
研究が進むにつれ、超弦理論は、宇宙が10の500乗個も存在しうることを示すとの研究が発表され、世界を震撼させた。
この宇宙と同じような宇宙が、ほかに10の500乗個も存在するというのである。
この理論は、様々な宇宙の現象への回答として貢献があり、正しいのではないかと思われてはいるが、もちろん、この理論は間違っていて有害だと主張する学者もいる。
実際に、この理論には様々な解決の難しい問題点がある。
現在、この理論を証明するべく様々な研究が進められており、やがてこの理論が大統一理論などへと結びついて行くものとして期待されている。
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