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放電で生じる紫外線を蛍光体に当てて可視光を生じさせる光源で、放電発光光源の一つ。蛍光ランプ、蛍光管とも。この光源を用いる照明器具を蛍光灯器具という。
蛍光灯は、内面に蛍光物質が塗布された細長いガラス管である。
ガラス管の両端には外側には2本ずつの接点、内側には放電電極が取り付けられており、またガラス管内部には水銀蒸気が封入されている。
日常的に使用される蛍光灯は直管型と環状型があるが、電球口金に付けて使用する「電球口金付蛍光灯」(電球形蛍光灯)もある。以降は、特に注記が無い場合は直管型と環状型について記載する。
蛍光灯には様々な種類があり、それぞれで互換性がない。購入に際しては、使用している蛍光灯器具と条件の全てが一致するものを選ぶ必要がある。
また、次のような選べる要素があるが、上の3要素が一致していれば、どれを選んでも点灯する。
点灯方式は三種類ある。
点灯時に電極フィラメントを加熱し、放電を開始させる。放電が開始したらスターター回路が停止して電極の加熱が止まる。
安定器と点灯管(グローランプ)が必要。点灯までの所要時間は数秒。
電極フィラメントを高耐久とし、点灯中は常時加熱するもの。スターター回路(グローランプ)が不要になる。
安定器が必要。グローランプは不要。即点灯する。
ラピッドスターター式の場合、始動補助方式が複数あり、それぞれで蛍光灯も専用となるため購入には注意が必要である。
電源周波数をインバータ回路で変換し、蛍光灯の点灯に適した20〜50kHzの高周波を作り出すもの。
安定器もグローランプも電極加熱も不要。即点灯する。
蛍光灯は、表示されているワット数で長さ(直管型)または大きさ(環状型)が決められている。
このワット数は、現在では実際の消費電力と必ずしも一致しておらず単なる大きさの単位でしかない。
蛍光灯は、用途に応じて5種類の光色が用意されており、それぞれで一般形と三波長形(EX)の2種類の波長が存在する。点灯方式とサイズが一致していれば、これはどれを選んでも点灯する。
光色は白く明るいものから、電球の色に近いものまでがある。
三波長形は一般形より明るい。
明るさを求めるのであれば昼光色(D)を使用するのがよい。
直管蛍光灯は様々な種類があり、その仕様は型番として全て記載されている。
特に直管型を選ぶ場合に重要な要素は「点灯方式」「長さ」の二つの要素であるが、この3要素は型番の一番最初に記載されている。長さは表示されているワット数で決められている。このワット数は、現在では実際の消費電力と必ずしも一致しておらず単なる管の長さの単位でしかない。
同じ長さと太さであっても、点灯方式が一致しないと点灯しない。
580mm、830mm、1198mmの製品で、同じ長さで点灯方式が異なる製品が市販されているため、必ず同じ点灯方式の蛍光灯を使用するよう購入の際には注意が必要である。
長さ | グロースターター形 | ラピッドスタート形 | インバータ形 |
---|---|---|---|
134.5mm | FL4 | ||
210.5mm | FL6 | ||
287mm | FL8 | ||
330mm | FL10 | ||
436mm | FL15 | ||
549mm | FHF24 | ||
580mm | FL20 | FLR20 | |
588.5mm | FHF16 | ||
630mm | FL30 | ||
830mm | FL32 | FLR32 | |
1000mm | FL35 | ||
1149mm | FHF54 | ||
1198mm | FL40 | FLR40 | FHF32 |
2367mm | FLR110 | FHF86 |
太さは点灯方式などによってあらかじめ決められている。自分で選ぶことはできないが、つまり買い間違える可能性もないということである。
ラピッドスタート形(FLR)は管径32mmが一般的で、Sと記載されている。
グロースターター形(FL)は管径28mmが一般的で、SSと記載されているのが一般的である。ただし20W未満のものは型番に太さが記載されておらず、4W・6W・8Wのものは管径15.5mm、10W・15Wのものは管径25.5mmが一般的である。
インバータ形(FHF)も型番に記載がされておらず、太さは長さによって自動的に決まる。
従来型の管径はFCL、比較的新しく細いタイプの製品の管径はFHCである。
環状型は、管径ごとに製品が市販されている。
スターター式(グローランプ式)を例とすると、点灯管(グローランプ)がONになり回路が繋がると両端のフィラメントに電流が流れ、これが過熱されると、マイナス極側から管内に電子が放出される。次に点灯管(グローランプ)がOFFになると、電子はプラス極側に流れる。このようにして蛍光灯の中には電子が流れている。
この電子の流れの途中で、電子はガラス管内の水銀蒸気つまり水銀原子に衝突する。電子が衝突した水銀原子は励起され励起状態になるが、励起状態は不安定なので自然に元の最低エネルギー状態(基底状態)に戻ろうとする。このとき、二つのエネルギーの差に対応する紫外線が放出される。
紫外線のままでは照明にならないため、紫外線を可視光線に変換するため、蛍光灯の内側には蛍光物質が塗布されている。このため蛍光灯の管は透明ではなく白い。
蛍光体の種類を変えることで様々な色が発光できるが、赤・青・緑の3波長を出し白色光を放つ一般的なものが、3波長形ランプである。
有害な水銀は、水銀に関する「水俣条約」により世界的に規制の動きである。
このため、蛍光灯も徐々に製造中止となっておりLEDへと移行が進められているが、LEDは価格が高く、価格面において蛍光灯の代替候補とはなっていないため、まだ蛍光灯は需要が高く存在する。
蛍光灯内部では紫外線が発生しているが、蛍光物質で可視光になるだけでなく、紫外線は僅かに外にも漏れ出ている。
僅かな量なので健康を害するほどのものではなく、日光浴で浴びる紫外線の1000分の1程度とされている。日光浴で紫外線を浴びると皮膚炎に効果があるとされているが、これは紫外線を浴びると体内でビタミンDが作られるという人体の特徴が由来である。むしろこの特徴を活かして(?)、体内でビタミンDを生成する波長成分を増やした蛍光灯などの製品も実在する。
蛍光灯の場合、人体への影響よりも、(たとえ日陰であっても)微量の紫外線が壁に貼られたポスターの色あせの原因になったり、紫外線に誘引されて虫が集まったりする点が、一考の余地のある問題であると言える。
道路のトンネル内の照明がオレンジ色なものが多いのは、虫は紫外線に寄る特徴があるため屋外の蛍光灯は虫が寄りついて汚れ、(トンネル内は掃除が難しいこともあり)メンテナンス性に問題があるためであり、代わりにナトリウムランプが使われることが多いためである。
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