点灯管

読み:てんとうかん
品詞:名詞

スターター形の蛍光灯器具で使われている、蛍光灯を点灯させるための放電管。グローランプ。

目次

蛍光灯は両端にフィラメントが付いており、これを加熱して熱電子を放出させることで点灯する光源である。

この目的のために、蛍光灯には両端に2対計4本の電極があり、それぞれ、点灯管と安定器が繋がっている。

そして点灯する際には、まず点灯管がオンになり回路の接点を閉じると、蛍光灯のフィラメントの余熱が開始される。数秒中に点灯管は冷えて接点が開くが、この時に安定器(チョークコイル)に高電圧が掛かる。これを数度繰り返すうちに、高電圧が印可されたフィラメントからの放電が開始され、蛍光灯は点灯する。

なお、蛍光灯はLED照明に置き換えが進んでいること、LED照明では点灯管は必要がないことなどから生産は減少の一途である。

種類

口金の形状で二種類に分かれる。

  • 電球と同じE17口金を使うタイプ
  • 差し込んだ後捻って固定するP21口金を使うタイプ

グロー方式

従来型の点灯管は、二つの電極が存在し、片方は固定電極、もう片方は熱で変形するバイメタル電極となっている。

電源が入ると点灯管が放電し中のバイメタルが過熱され、やがて熱で変形し二つの電極が接触することで回路が閉じ点灯管がオンの状態になる。

回路が閉じたことで蛍光灯のフィラメントに電流が流れ、フィラメントの余熱が開始される。そのうちに点灯管も冷えてバイメタル電極が元に戻ることで回路は開き点灯管がオフの状態になるが、この際に蛍光灯のもう一対の電極に繋がっている安定器に高電圧が掛かり、この電圧でフィラメントが加熱され、AC電源波形とのタイミングが合えば蛍光灯が点灯する。

点灯管はこのような動作でスイッチとして機能するが、半導体時代以前の原始的な装置でありながら、現在でも使われている。

ただ点灯管のスイッチのON/OFFはAC電源波形と無関係に動作するため、タイミングが一致しないと充分な大きさの高電圧パルスが生成できず点灯するまで再試行する必要があり、このために蛍光灯の点灯までに時間を要するという欠点がある。

電子点灯管

従来グロー管に代わって普及した点灯管で、グロー方式を電子回路で実現したものである。

電子回路による制御で充分な余熱を実施し、なおかつ一回の点滅で蛍光灯を点灯させることができる。このため従来グロー管よりも高速に点灯できる。従来グロー管より高価ではあるが長寿命であり、ランニングコストを考えるとこちらの方が安く付く。

デジタル点灯管

電子点灯管を更に進めて、ASICを搭載した基板が収められ、ソフトウェアで点灯を制御する点灯管である。

ランプの点灯をソフトウェアで制御するため点灯時の蛍光灯へのダメージ(消耗)を減らし、蛍光灯を長持ちさせられるのが利点。点灯管と考えると高価だが、蛍光灯も長持ちさせられ、従来グロー管の50倍程度の寿命があるため蛍光灯器具の方が先に寿命になる可能性が高い高寿命から、ランニングコストを考えれば安いとも言える。ただし、メーカーは限られているため製品選択の幅は広くはない。

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蛍光灯器具
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