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日本は、国策として数多くのダムと水力発電所を国内に建設してきた。
長時間発電機を廻しつづけるためには、それなりの水量が必要であり、水を蓄えるためには結果としてダムが必須となる。しかし、ダムは川に作るが、ダムの建設はその川をせき止め、そしてその川の周辺を水の底に沈めるということであり、いくつもの村や集落が水没するばかりか、多くの自然も失われることになる。自然破壊の極みである。
ダムで水を溜めると、下流で干魃になりやすい地域では渇水が起こる。また、アユやサケ、マスなどが遡上(川の上流に戻る)ができなくなったり、食物連鎖を変えることに繋がり生物の生態系も大きく変化させてしまうことになる。
発電用のダムは一般に頑丈なコンクリートダムであり日本では決壊したことは過去一度もないが、全くないとも限らない。もし万が一、地震や豪雨などでダムが決壊することになれば、下流は河川の氾濫、堤防の決壊などにより壊滅すると予想される。
それでも背に腹は代えられないため国内に多数のダムが作られてきたが、日本国内においては、もはや新規にダムが建設できる場所は限られており、新たな水力発電所を作る余裕は殆どない。
水力発電所そのものの寿命は50年とも100年ともされる。
その寿命は、ダム本体の劣化よりは、堆積する土砂によるものである。
そこで、水力発電所の寿命を延ばすために、浚渫や排砂トンネルで堆積土砂を取り除く努力がなされている。
水力発電所の建設は公共事業であるため、これに反対する勢力の目の敵にもされている。
寿命になれば、ダムは一旦解体して作り直す必要があるが、今のところ老朽化に伴うダムの解体・撤去の前例はない。
日本で初の水力発電所解体は、水利権の更新が出来なくなるという理由に伴う、熊本県八代市の「荒瀬ダム」解体が初である。
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