排尿後、膀胱が完全に空になっていないと感じる症例のこと。
通常は、排尿後は膀胱内の殆ど全ての尿は排泄される。何らかの理由で膀胱内に残った尿は、残尿という。
そして、排尿後も、まだ尿が残っていると感じる症例が、残尿感である。
この症例は、実際の膀胱内の残尿に関わらず生じうるもので、その多くは実際には残尿がない場合に起きている。
膀胱の障害などで膀胱の筋力が弱まった場合や、尿閉、あるいは前立腺肥大症などによる排尿困難により尿が全部出し切れない場合には、実際に残尿がある状態での残尿感が起こりうる。
あまり長期間膀胱に尿を残しておくと細菌の繁殖を招き、尿路感染症や腎機能障害を来す恐れがあるので、注意が必要である。
多くの場合、残尿感があっても、実際には尿が残っていない。こういった残尿感に加え、不快感や痛み、頻尿を伴うような場合は、概ね膀胱炎(尿路感染症)である。
炎症が明らかでないにもかかわらず、残尿感がある場合、男性では前立腺肥大症であることが多い。はっきりとした炎症がなくとも、症状として残尿感が生じることがある。
膀胱や尿路に疾病がある場合は、泌尿器科の専門医の診察が必要である。
炎症の治療には、一般には、抗生物質などの抗菌剤や抗炎症剤などの薬物療法によるが、残尿感などの症状が完治するまでには時間が掛かることが多い。
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