ヘリウム3

読み:ヘリウム・さん
外語:3 H 英語
品詞:名詞

ヘリウムの同位体の一つ。

目次

水素核融合して作られる。

具体的には、太陽を含め若い恒星では内部で陽子‐陽子連鎖反応が起こっており、途中でヘリウム3が作られる。ただし反応はさらに続き、より安定なヘリウム4が作られる。

存在比

地球上では極めて稀少で、全ヘリウム中に0.0001%、すなわち100万分の1しか存在しない。しかし、核融合が行なわれている太陽中にはより高濃度に存在し、またにも地球上よりはるかに大量のヘリウム3が存在することが知られている。

月面にあるヘリウム3は、太陽風に含まれるものが蓄積したものである。地球の場合、大気圏が成立して以降は太陽風由来のヘリウム3は地球上に蓄積できないことから、地球創成期に蓄積したものが今に残っているものと推定される。

有り触れたヘリウム4の液体ヘリウムならそれほど高価ではないが、貴重なヘリウム3は1リットルあたり何と二千万円もすると言われている。

核融合

核融合の燃料として期待が持たれている。

現在、一般に実現が目指されている核融合は、地球上で原料が手に入る、重水素と三重水素を使ったD-T核融合反応である。三重水素の代わりに、同じ質量数のヘリウム3を使おうというのが、ヘリウム3での核融合理論である。

2H + 3H → 4He + 1n

2H + 3He → 4He + 1p

どちらもヘリウム4ができることは同じだが、D-T核融合反応の場合は中性子ができてしまい厄介なのに対し、ヘリウム3の場合は陽子であり比較的扱いやすい。また、三重水素は放射性同位体なのに対してヘリウム3は安定核種であり放射能がないことから、ヘリウム3での核融合炉の実現に期待が寄せられている。

ただし、この燃料を月まで掘りに行かねばならないため、現時点では実現のめどは全く立っていない(そもそもD-T核融合反応自体、技術的な目処が立っていないが)。

用語の所属
ヘリウム
同位体

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