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武漢肺炎ウイルス感染症の病原体であるSARS-CoV-2に対するワクチンの一つ。メーカーはファイザー(Pfizer)。開発コードネームはBNT162b2とされる。
これを著している時点では薬価収載医薬品ではなく、国がメーカーより直接仕入れ、公費対象として希望する国民に無償で接種している。
SARS-CoV-2による感染症の予防。発症予防効果は約95%と報告されている。
臨床試験において、十分な免疫ができるのは2回接種し2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされている。
本剤はmRNAワクチンである。
有効成分であるトジナメランはSARS-CoV-2のスパイク蛋白質(ウイルスがヒトの細胞に侵入するために使われる蛋白質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤である。
本剤を接種することによりヒト細胞内に取り込まれると、このmRNAを元に細胞内でスパイク蛋白質が産生される。これを体内の免疫系が異物とみなし、スパイク蛋白質に対する中和抗体産生および細胞性免疫応答が誘導されることにより、仮にSARS-CoV-2が体内に侵入しても免疫系により速やかにスパイク蛋白質が破壊されるため細胞内に侵入することができず、もってSARS-CoV-2による感染症が予防できると考えられている。
国際一般名となるトジナメラン(tozinameran)の名前の由来は不明。
開発コードネームBNT162b2の由来も不明だが、BNTは開発メーカーのビオンテックを意味する。
コミナティ筋注は商品名(ブランド名)である。この商品名は、COVID-19、mRNA、コミュニティ(community)、免疫(immunity)を組み合わせて命名されたとしている。
このワクチンは、ドイツのベンチャー企業ビオンテックが開発した技術をもとに開発されており、ファイザーがビオンテックに開発協力をすることで製品化が実現した。
ビオンテックはmRNAワクチンの発明者であるカタリン・カリコ博士らが移籍し、研究を進めていた企業である。
アレルギー反応のほかは、一般的な他の疾患向けワクチン接種と大差ない副作用しか報告されていない(順不同)。
痛みは高確率で見られるが、接種後半日ほど経ってから痛み出すことが多く、概ね翌日から数日間は痛む。これは筋肉注射では共通してみられるものである。
発熱は特に2回目の接種後に見られるが、これは体内での免疫反応によるものであり、つまりこの製薬が「効いた」ことを意味している。
重篤なアレルギーについては、7割程度は接種後15分以内に起こっており、その殆どはアレルギーの既往歴がある人である。このワクチンはドラッグデリバリー担体としてPEG化した脂質ナノ粒子(LNP)が使われているが、これが免疫反応を引き起こすと考えられている。
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