オリオン

読み:オリオン
外語:Orion 英語
品詞:固有名詞

NASAが開発中の、スペースシャトルに代わる有人宇宙船。

目次

当初計画では、仮称CEV(Crew Exploration Vehicle)と呼ばれ、これをアレスロケットで打ち上げるとしていた。

2006(平成18)年8月22日、CEVは、オリオン座から「オリオン」と正式に命名された。

コンステレーション計画(次期有人月着陸計画)や、国際宇宙ステーション(ISS)への人員輸送などへの利用を計画していたが、計画の延期、米経済の後退などもあり、開発の遅延が生じた。

当初計画

有人月着陸で利用するためのCEVの当初計画では、4〜6人程度の宇宙飛行士が搭乗可能な人員輸送専用の宇宙船、とされた。

打ち上げには別途ロケットを要するが、アメリカは有人打ち上げに使えるだけの信頼性があるロケットを持っていないため、「アレス」として新ロケットが開発される計画だった。

有人打ち上げでは「アレスⅠ」、月探査船など貨物輸送では「アレスⅤ」が使われるとされていた。

計画白紙

当初計画からスケジュールは遅延し、スペースシャトルの退役までの完成が絶望的となった。

さらに、新たに大統領に就任したオバマ大統領は月よりも遠い天体(火星など)への有人計画に意欲を見せた。また、サブプライムショックによる財政悪化も理由として2010(平成22)年2月1日、コンステレーション計画(次期有人月着陸計画)を正式に中止としたため、オリオン宇宙船およびアレスロケットは全て、計画が白紙となった。

用途変更

その後オリオンは、国際宇宙ステーションの緊急脱出装置に用途変更して利用する計画であることが2010(平成22)年4月13日に判明した。

計画では、米政府はNASAに5年間で60億ドルの予算を追加投入し、最終的には火星に人を送る、というオバマ大統領の意向を反映した計画となり、後継ロケットの開発も加速するとした。

火星は遠いことから、一気に目指すのではなく、まずは小惑星帯などを段階的に探査しながら火星到達を目指す方向性とされている。

アレスに代わるオリオンなどを打ち上げるためのロケットは、「宇宙発射システム」(SLS)として、2011(平成23)年9月14日に発表された。

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