アンジオテンシンⅠ転換酵素

読み:アンジオテンシン・ワン・てんかんこうそ
外語:ACE: angiotensin I converting enzyme 英語
品詞:名詞

アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに転換、またブラジキニンの不活性化をする酵素。略称「ACE」。健康保険名称は「アンオテンシンⅠ転換酵素(ACE)」である。

目次

の血管内皮細胞で産生され、内分泌される。ACEは全身広くに分布し、特に肺に多い。

幼少時は成人比で数割程度多く、老齢になると減少に転じる。全年齢において、男女性差は殆どない。

検体検査においては、生化学的検査(Ⅰ)である「D007 血液化学検査」に分類されている。検査料は令和4年 医科診療報酬で140点である。

検査目的

呼吸器、肝臓腎臓の疾患や糖尿病などで高値を示すため、スクリーニングとして使用されることがある。

またサルコイドーシスの類上皮細胞肉芽腫に多量に存在しているため、サルコイドーシスの診断や病態の確認、経過観察などで検査結果が用いられる。

検査に際して、食事の影響はないが、ステロイド治療中は薬剤が結果に影響を与える。また降圧剤としてよく用いられているACE阻害薬投与でも低下する。

正常値

診療機関によって様々だが、一例は以下の通り。

  • 成人(血清) (8.3〜21.4 U/l)
  • 小児(血清) (7.0〜25.0 U/l)

異常時

上昇

ACEが上昇する疾患として、次のようなものがある。

  • サルコイドーシス
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 肝硬変
  • 腎不全
  • 慢性肝炎(活動型)
  • 糖尿病
  • ゴーシェ病
  • リンパ球性細胞リンパ腫(Lennertのリンパ腫)
  • リンパ脈管筋腫症(LAM)
  • 変形性関節症(OA)
  • ベリリウム症
  • 珪肺症
  • 非定型抗酸菌症
  • らい病(癩病)

減少

ACEが極端に低下する疾患として、次のようなものがある。

  • 甲状腺機能低下症
  • クローン病
  • 嚢胞性線維症
  • 慢性白血病
  • 多発性骨髄腫
  • 肺がん
  • 肺結核
  • 慢性閉塞性肺疾患

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