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第16号科学衛星はるか。宇宙科学研究所(ISAS)により開発され、1997(平成9)年2月12日に宇宙科学研究所(ISAS)のΜ-Ⅴロケット1号機によって鹿児島宇宙空間観測所から打ち上げられた、世界初のスペースVLBI電波天文衛星(VSOP衛星)。衛星計画名MUSES-B。国際標識番号1997-005A。
愛称は「はるか」(遥か)で、遥かな宇宙の謎に挑む事から命名された。英名がこじ付けであることは自明である。
長く活躍したが、老朽化のため2005(平成17)年11月30日に停波、運用は終了された。
衛星は超楕円軌道(近地点高度540m、遠地点高度21,300km)の地球周回軌道にある。軌道傾斜角31度、軌道周期6.3時間、衛星重量830kg、アンテナ口径約8m、観測帯域1.6GHz、5GHz、22GHz。
はるかはVSOP計画を行なうことを目的に打ち上げられた衛星で、国際協力によりスペースVLBIの実験を行なった。
ミッションは3年を想定したが目標以上に長く運用できた。大成功であった。打ち上げ後約6年で三軸姿勢制御が不可能となり、以降は断続的に再開と観測停止を繰り返した。三軸姿勢制御維持が不可能となった理由は4台あるリアクションホイールのうち2台が停止したためである。
そんな「はるか」も8年半以上運用されたが、老朽化のため、遂に2005(平成17)年11月で運用終了が決定した。
但し大気圏に突入させて処分するには軌道が高すぎるため、電源を切って軌道に残されることになる。
はるかは、世界初のスペースVLBI観測を実現するため、高精度大型展開アンテナ、柔軟構造物の姿勢制御、位相伝送、広帯域データ伝送、高精度軌道決定、といった技術を実現させ実証している。
そして衛星としての本懐といえる天文観測にも成功している。衛星と地上間で電波干渉に成功、最高で1万分の3秒角という高精度(ハッブル宇宙望遠鏡の100倍以上の精度)の撮像観測に成功し、スペースVLBI観測の技術確立に成功している。
プロジェクト成功に伴い、次期VLBI計画「VSOP-2」が検討されている。
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