かみのけ座

春の星座。しし座のすぐ北東に見られる星座で、その面積の大半を大型の散開星団Mel.111が占める。

概略位置は赤経12h 40m、赤緯+23°。20時南中は5月28日。

星座の学名は "ベレニケの髪の毛" といい、ベレニケとは紀元前2世紀に実在したエジプト王妃ベレニケ2世のことである。彼女は夫のプトレマイオス3世エウエルゲテス1世がシリアとの戦いに出陣したとき、夫とエジプトの勝利を祈願し、アフロディーテ神殿に自分の髪の毛を捧げた。かみのけ座は、この時の髪の毛とされている。1602(慶長7)年にティコ・ブラーエにより正式に星座に加えられた。

かみのけ座と南のおとめ座付近は銀河系の北極方向で、銀河系内物質が少なく、深宇宙観測に適している。このため遥か彼方の天体が観測でき、宇宙の覗き窓とも呼ばれている。

例えば、かみのけ座ではM53、M64、M85、M88、M98、M99、M100と7つのメシエ天体が見られるが、M64以外はすべて数千万光年と遥か彼方の天体である。中でもM53は6万光年以上彼方に存在する。

このうちM53とM64を除く5つの銀河はおとめ座銀河団の構成メンバーで、また、かみのけ座北部、約3億年彼方にはかみのけ座銀河団がある。

代表的な恒星
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┃ 名前 ┃等級      型    ┃ 赤経 (J2000.0) 赤緯  ┃HD  番号  HR┃
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┃αCom ┃ 4.3┃F5Ⅴ+F5Ⅴ ┃13h 10.0m │+17°32′ ┃114378│4968┃
┃βCom ┃ 4.3┃F9.5Ⅴ    ┃13h 11.9m │+27°53′ ┃114710│4983┃
┃γCom ┃ 4.3┃K1ⅢFe0.5 ┃12h 26.9m │+28°16′ ┃108381│4737┃
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