Μ-Ⅴロケット5号機

読み:ミューファイヴ・ロケット・ごごうき
外語:M-V-5 英語
品詞:固有名詞

宇宙科学研究所(ISAS、現JAXA)により開発されたΜ-Ⅴロケットの5号機。

目次

Μ-Ⅴロケットの5号機であり、Μ-Ⅴロケットとして4回目に打ち上げられた。号機番号と打ち上げ順序は一致していない。

2003(平成15)年5月9日13:29:25(@228)に内之浦宇宙空間観測所よりランチャ設定上下角80.8°、発射方位角90.2°で発射され、成功した。

ロケットの仕様

  • 一段目: M-14
  • 二段目: M-25
  • 三段目: M-34b
  • キックステージ: KM-V2

ペイロード(積載物)

  • はやぶさ(小惑星探査機・第20号科学衛星、MUSES-C)

気象

ロケット打ち上げ時の天候は晴、東の風2.5m/s(2m/cBeat)だった。

計画

Μ-Ⅴロケット5号機は四段式で、四段目にキックモーターが付けられた。

5号機では、二段目を従来のM-24からM-25に、キックモーターを従来のKM-V1からKM-V2にそれぞれ変更している。これにより推力を大幅に増強させた。

前のΜ-Ⅴロケット4号機が打ち上げに失敗しているため、その対策が必要となり、第1段と第3段のノズルスロート素材をグラファイト製から3D-C/C複合材製(3次元カーボン・カーボン複合材)に変更した。

仕様変更が大きいことから、新型ロケットと呼んでも差し支えのないものであった。そしてこれに成功し、打ち上げられた探査機「はやぶさ」は、後に壮大なドラマを産み出すことになるのである。

なお、この開発に伴い、大型の3D-C/C複合材製の国産化といった複合的な結果が得られている。これらの経験や実績は、今後多くの宇宙開発などに貢献していくだろう。

沿革

  • 2003(平成15)年5月9日13:29:25(@228): 発射
  • 発射後110秒: 以降、宇宙開発事業団 小笠原追跡所が第3段の電波を受信
  • 発射後205秒: 第3段モータ点火
  • 発射後215秒: ここまで、光学班が追跡
  • 発射後350秒: 第4段を分離
  • 発射後23分: NASAゴールドストーン局がMUSES-Cからの電波を受信、打ち上げ成功を確認

打ち上げ成功後、MUSES-Cの国際標識は2003-019Aとなり、「はやぶさ」と命名された。

用語の所属
Μ-Ⅴロケット
JAXA
関連する用語
はやぶさ

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