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帯電した静電気が、他の導電体に接近した際に生じる放電現象。時に火花を発生させる。
電子機器のESD問題の多くは人体によって引き起こされている。
人体によるESDのエネルギーは、さほど大きくはない。例えば人体の静電容量は約670pFで国際的に定義され、ESD試験器も670pFに約6kVを印加して放電させる試験条件が規定されている。この場合、「J=F×V2÷2」なので、エネルギーJ=670pF×6kV2÷2であるが、エネルギーは僅か12.06mJに過ぎない。
しかし、このレベルでも半導体素子の誤動作や破損は十分に引き起こしうることから、電子機器は静電気に対する十分な耐性が求められている。
静電気は、電圧は数千V程度もあるが、通常は電荷が殆どない。つまり通常の静電気は電力がない。したがって、少しでも電流が流れてしまえば、電圧もすぐになくなる。
結果として電圧が掛かると電流が流れるような電気抵抗値の低い部品は、基本的に静電気では壊れない。
一方でCMOSのように入力抵抗値が高く電流が流れにくいICは静電気に弱く壊れやすい。高い電圧が直接掛かることになり、内部で絶縁破壊を起こしICが故障してしまうことがある。
この場合、回路に対して、GND→LINE→VCCの方向にそれぞれダイオードを接続するか、GND→LINE→共通線にそれぞれダイオードを接続しGND→共通線にツェナーダイオードを接続することで静電気対策とする。
LEDなどでも、順方向は電流が流れるため順方向極性の静電気で壊れることはないが、逆方向は電流が流れない上に逆耐圧が低い(4〜5V程度)。このため逆方向極性の静電気が加わると壊れてしまうため、LEDと逆向きにツェナーダイオードを付け、0.6V以上の静電気はダイオード側に流して消耗させることで静電気対策とLEDの保護をすることがある。
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