澱粉

読み:でんぷん
外語:starch 英語 , amel/o エスペラント
品詞:名詞

穀類や芋の主成分で、グルコース分子が多数結合した炭水化物の一種。英語で「スターチ」とも。

目次

「澱」の字が常用漢字から漏れたため、現在は「でん粉」や「デンプン」とも書く。

デンプンを結晶化させたもの(デンプンの粉)が、狭義の澱粉である。澱「粉」と書かれる理由である。

但し、粉になっていない、結晶化されていない同等の成分も、デンプンという。漢字で書くかカタカナで書くかで書き分けをすることもあるようである。

構造

結合が直鎖状のものをアミロース、枝分かれしたものをアミロペクチンと呼びわける。

アミロースは比較的低分子で、アミロペクチンは比較的高分子である。

米ではアミロースとアミロペクチンの割合が味の決め手になっている。アミロペクチンが多いほどモチモチしていて、餅米はアミロペクチン100%、普通の米(うるち米=粳米)はアミロース20%/アミロペクチン80%程度である。

状態

日本では、澱粉を状態によって次の三種類に呼び分けることがある。

  • 生澱粉(生デンプン)
  • アルファ化澱粉(α化デンプン、糊化澱粉、糊化デンプン)
  • ベータ化澱粉(β化デンプン、老化澱粉、老化デンプン)

澱粉を吸水させ、かつ加熱すると、次第に膨張し、最終的にはゲル状になる。これを「糊化」(こか)という。例えばご飯を炊くと、ご飯の澱粉が糊化する。この反応を、日本ではアルファ化(α化)という。

糊化した澱粉が冷えると、次第に粘性が失われ、硬くなる。これを「老化」(ろうか)という。澱粉分子が再び結晶状態に戻ろうとするためである。この反応を、日本ではベータ化(β化)という。加工食品では、澱粉の老化を防ぐためにトレハロースなどの糖類が使われている。

トレハロースなどの糖類は加工食品の製造にも欠くことが出来ないもので、トレハロースがなければ殆どのフリーズドライ製品は柔らかく戻らず、餅なども僅か数時間で硬くなってしまう。料理の味をまとめるのにも必要で、味に人気のある料理店は大抵、料理にトレハロースを入れている。従って、もしトレハロースの供給が止まることがあれば、殆どの加工品が製造できなくなる。

素材による種類

原料植物による特徴の差異。

トウモロコシデンプン

コーンスターチ/トウモロコシデンプン

玉蜀黍の澱粉。一般にはコーンスターチの名で知られる。

通常種ではアミロース含有量約26%である。

ワキシーコーンスターチ (もちトウモロコシ)

古い品種とされる、もちトウモロコシのワキシー種ではアミロースが0%/アミロペクチン100%である。

ハイアミロースコーンスターチ (ハイアミローストウモロコシ)

ハイアミロース種ではアミロース含有量が50〜90%程度となる。

馬鈴薯澱粉/ジャガイモデンプン

ジャガイモの澱粉。

いわゆる「片栗粉」。本来片栗粉はカタクリ(片栗)から作るが、現在市販のものはほぼ全て馬鈴薯澱粉である。

小麦澱粉

小麦の澱粉。小麦粉からグルテン(蛋白質)を取り除いた残滓の澱粉質をいう。

「浮き粉」として、菓子などの材料となる。

米澱粉

の澱粉。

うどんなどの打ち粉として使われてきた。

白玉粉は、餅米の澱粉が主な材料である。

タピオカ澱粉(キャッサバ)

タピオカの澱粉。

食品の繋ぎや「とろみ」付けのための増粘剤として広く使われる。

食品だけでなく、澱粉糊(でんぷんのり)の材料としてもよく使われる。

利用法

澱粉は、様々な利用法があり、人類と深い繋がりを持っている。

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