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放射能の単位はベクレル(Bq)だが、これが人体に及ぼす影響は、係数を掛けて得られるシーベルト(Sv)を使う。
放射能の影響を受けることを放射線被曝といい、皮膚等への付着による「外部被曝」と、体内に取り込んで影響する「内部被曝」とがある。
ベクレル(Bq)からシーベルト(Sv)への変換は内部と外部で別々に存在し、各々で身体への影響の強さが考慮されているため、単純に外部被曝と内部被曝によるシーベルトの値を足せば実際の影響となる。
一度に浴びた時、影響が出始めるのが100から200ミリシーベルトで、死亡する可能性が出始めるのが2シーベルト、ほぼ助からない(LD99)致死量が7から8シーベルトとされる。
毎日少しずつ浴びる場合は年間での累計を使うが、実際の被害は一度に浴びる場合の1/10から1/100程度であることが確認されている。
こうして、崩壊して作られる新たな原子核を、崩壊後生成物(または崩壊生成物)という。
例えば、131I(沃素131)は、約8日の半減期で、131Xe(キセノン131)に崩壊(変化)する。これは安定核種なので、ここで放射線を出す反応は終了する。
放射能は、生活でも様々に応用されている。
放射線は細胞(のDNA)を破壊するため、これを、がん治療、医療機器などの滅菌に使っている。また、ジャガイモに照射して発芽を防ぐことも行なわれる。
ラジウムなどは蛍光剤に混ぜると放射線で発光するため、夜光塗料として時計の文字盤などに使われている。
そして、ラジウムやラドンなどは温泉(放射能泉)として古くから人気があり、小線量の被曝は新陳代謝を高め健康を促進することが、多くの「人体実験」によって知られている。
これは、「日光」(紫外線)も浴びすぎは健康を害するが、建物に閉じこもって全く浴びないのも健康を害するのと似ている。まだ解明されていないが、放射線にも何らかの適量がある可能性がある。
この他にも、「トルマリン」のように天然のウランなどを微量不純物として含む鉱石が「マイナスイオンを出す」として、疑似科学で人気を博した。
2011(平成23)年の福島第一原子力発電所の事故の時には、ベクレルやシーベルトなど一般の人の聞きなれない単位で、センセーショナルな報道が横行した。
結果、福島県産不買、関東・東北産不買、福島県民への差別やいじめ、などの風評被害が広がった。このような事をする者たちは「放射能の本当の危険性」などを聞き入れることは無く、単にマスコミの煽りに騙され乗せられ、マスコミ(のスポンサー)が目標としている地域分断工作に手を貸すことになった。
孔子は「民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず。」と述べた。これは、民は従わせることはできるが、民にその道理を説いても理解させることは難しい、という意味である。ある程度以上に難しい理屈を、ある程度以上の規模の集団のほぼ全員に理解させることは不可能なのである。
さて、「正確な情報」などは、偏見を持って見る者に与えても意味をなさないことが明らかとなった。より分かりやすい指標に変換して提供することが求められた。
震度を参考に、日本で適用できる放射能被害の基準が/.Jで作られた。
死傷者が出始めなければ休暇申請が通らないらしい。日本の社畜は大変だ。
とはいえ、放射能はなくとも実際にデスマーチなどで体験できる。
なお、日本は長く、(事故現場を除いては)放射能レベル1のまま変化していない。
地震から1年以上が経過し、その中で問われた様々な放射能関係への疑問について、以下に簡潔にまとめる。
チェルノブイリ事故での甲状腺ガンの被害については様々な研究があり、実際に乳幼児を中心として健康被害が増加していることが報告されている。
甲状腺ガン発症児の被曝量は殆どが300mGy(概ねGy=Svで換算可能)未満で、幾つかの症例は10mGyだったが、この推定(10mGv)の不確かさは因果関係に疑問を残している。
これらの結果から、FDAは、50mGy以上の被曝で子供の甲状腺ガンのリスクが著しく増加すると結論付けた。またUNSCEARは、個人の甲状腺線量の推定値にかなりの不確定性があることを認めつつ、内部被曝線量の80%以上が沃素131由来と推定し、外部被曝は甲状腺線量のごく僅かしか寄与していないとした。
なお、沃素131は半減期が8日程度しかない。半減期経過後は減衰が速いことから、実質的に害が見込まれるのはこの期間といえる。
チェルノブイリ事故で甲状腺ガンが増えたのは事実だが、日本とは条件が異なる。日本人は、今回の事故では甲状腺ガンにはならない。
なぜなら、チェルノブイリ周辺では、次のような状況が生じていたからである。
(取り込まれた沃素の90%は飲食、特に牛乳からによる)
一方、日本の場合は、これらの3条件の全てを満たさないため、被曝量も少ない。
結論は、体内に取り込まれた放射性物質の量(何シーベルト分取り込まれたか)が重要ということになる。
小児の白血病については、特に有意な上昇を示すデータはない。
また甲状腺ガン以外の甲状腺疾患なども、事故後、16万人の子供についてスクリーニング調査が実施されたが、リスクの上昇は見られなかったとUNSCEARが報告している。
奇形児の発生なども同様、特に有意な上昇を示すデータはない。農薬その他の有害物質の影響が除外し切れていない。
つまり、多くの統計を集めても、調査上生じるノイズに埋もれる程度にしか影響がないことを意味している。
次に問題視されるようになったのは、放射性セシウムだった。
風に流され雨で落ちて地面に吸着したセシウムからの放射線により、各地で線量が上昇した。とは言え、実際の線量は僅かで、直接的な影響も僅かである。
では、その僅かな放射線がどのように身体を蝕むのか。それは、身体の70%を占めるとされる水が放射線に反応することによる間接的な影響と、放射線による直接的な影響である。以下、【中村仁信、放射線と発がん;会誌『癌と人』第38号別冊】の要約。
水はH2Oという構造の物質である。
水に放射線を当てると、これがフリーラジカルに変化することがある。これは「H‐O‐H」が、「H‐O−」と「H+」とに分かれた状態となることをいう。
殆どのラジカルはその場で再結合して無害化するが、一部はDNAを傷つけ、細胞をがん化させるため、有害である。しかしこのラジカル、実際には呼吸などでも生じており、むしろ日常生活で生じるものの方が、低線量被曝により生じるものより遥かに多い。
結果として無数のDNA損傷が毎日、日常的に生じることになる。そこで人間ほか生物は、損傷したDNAを修復する機能を持っており、これらをすぐに修正する。万一、これが不可能なほどに壊れることがあれば、細胞は自爆する(アポトーシス)機構が備わっている。加えて、万一細胞がガン化しても、それを排除する免疫機能を持っている。
放射線によるDNAの損傷は、1000mSvで2000個、100mSvの被曝で200個程度である。従って100mSv以下のDNA損傷は自然の変動幅に埋没する程度である。
こちらも同様に、損傷を修復できない事態があれば、細胞は自爆して消滅する。遺伝子異常を持ったまま自爆できない細胞が残ると突然変異となるが、100mSv程度では突然変異はせいぜい1個程度である。がん細胞が出来るためには、せめて10数個程度は必要である。
但し検討が必要なのは、発がん原因は放射線だけではないということである。タバコ+ストレス+放射線、というような相乗効果があれば、がん細胞が出来るための突然変異数を達成してしまうことがある。
前述のように生体には修復機能があるため、僅かなDNA損傷があってもすぐに修復される。時間的余裕があればあるほど影響の修復が可能であるため、被曝の影響は蓄積しない。
例えば年に10mSv浴びるのと、1年に1mSvを10年間浴びるのとでは、同じ10mSvであっても影響は全く違う。大昔には、放射線の影響はそのまま蓄積するというLNT仮説(直線閾値なし仮説)が存在したが、現在はこれは否定されている。
同じ線量なら、一気に浴びるより、時間を掛けて浴びる方が修復する余裕が多い分、後に残る影響が少ない。
国立がん研究センターなどからの情報を簡潔にまとめると、被曝線量と生活習慣の発がんリスクは、次のように関連付けられる。
()内は発がんリスク、飲酒量はエタノール換算(日本酒1日2合を一週間で約300gのエタノール)。
被曝線量 | 生活習慣 |
---|---|
1000〜2000mSv (1.8) | 喫煙者 (1.6) |
大量飲酒(450g以上/週) (1.6) | |
500〜1000mSv (1.4) | 大量飲酒(300〜499g/週) (1.4) |
肥満(BMI≧30) (1.22) | |
やせ(BMI<19) (1.29) | |
200〜500mSv (1.19) | 運動不足 (1.15〜1.19) |
高塩分食品 (1.11〜1.15) | |
100〜200mSv (1.08) | 野菜不足 (1.06) |
受動喫煙(非喫煙女性) (1.02〜1.03) |
以上をまとめると、低線量被曝においては、放射線の影響よりも、普段の生活で生じるDNA損傷のほうが桁違いに多く、人体はその桁違いに多い損傷を修復する機能を備えている。
結果として、僅かな放射線による影響は無視できる。
それよりも酒タバコ塩分を控えて適度に運動をする方が放射線の影響を補い余る。
低線量被曝の影響が殆ど無視できることが徐々に明らかになると、それに危機感を持った政治活動家たちが「内部被曝」を声高に叫びだした。
しかし上述もしたように、実際の影響は「どれだけの放射線を浴びるか」であり、それを見極めるためには、外部被曝と内部被曝の各々のシーベルト数を足せば良い。「シーベルト」という単位は、吸入摂取や経口摂取など内部被曝時と、そうで無い外部被曝時とで分けて換算値が用意されており、ベクレルからシーベルトに変換した時点で内部被曝の影響も加味されている。
また、放射性物質自体の毒性は無視できる。量が微量過ぎるからである。例えば、セシウム137は1000ベクレルあたり0.0000003mg(3×10−7mg)である。これに対して体内には元々数mgのセシウム137がある。【日本アイソトープ協会、アイソトープ手帳; 改訂11版】
ここから、10兆ベクレルで3g程度であることも分かる。10兆ベクレルなどというと物凄い量のようだが、実際は吹けば飛んでしまうような量である。
日本人の主食である米で考えてみる。
まず、農林水産省のプレスリリース「米の1人1か月当たり消費量(平成20年3月分)」によれば、一人あたり約5kg/月を消費するとしている。年に換算すると、一人あたり約60kg/年ということになる。
ここで、まず有り得ないことだが、消費する米が全て規制値ぎりぎりの500Bq/kgの濃度でセシウム137が含まれていたと仮定する。この時の年間摂取量は、次の通り。
60kg×500Bq/kg = 30,000Bq
これに、Bq→Svの換算係数を掛ける。
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)などに掲載されている、セシウム137の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
つまり、基準値ギリギリの米を1年間食べ続けた場合、次の影響を受けることになる。
30,000Bq×1.3×10−5mSv/Bq = 0.39mSv
1年間せっせと食べ続けても、日本での自然放射線である年間1mSvや世界平均の自然放射線である年間2.4mSvに遠く及ばない。上に掲載した生活習慣病との比較表をみても、その影響は皆無と判断できる。
しかも、これは1年間掛けて浴びる量である。僅かな放射線の影響は上述の通り身体が修復してしまうため、毎日食べたとしても実害はゼロであると言える。
結果として、福島県産の買い控えは「風評被害」ということになる。
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