液体ヘリウム

読み:えきたい・へりうむ
外語:liquid helium 英語
品詞:名詞

液体となったヘリウムのこと。概ね−270℃程度で液体となる。

目次

ヘリウムは、融点−272.2℃(26気圧)、沸点−268.9℃なので、液体ヘリウムとして存在するためには、温度がその間である必要がある。

主として冷媒として使われる。

用途

超伝導や赤外線観測など、低温が求められる際の冷却に使われる。

ヘリウムは宇宙全体ではありふれた元素ではあるが、地球では存在量がそれほど多くない。これは、軽いため大気圏外に逃げてしまうためで、ゆえに若干高価である。

お値段は、かつては1Lあたり1000〜2000円程度という時代があったが、近年は供給不足によって値上がりしている。また冷却が必要なため、地方だと輸送にコストが掛かる。一般に、液体窒素は同量の牛乳と、液体ヘリウムは同量のウイスキーと同程度の価格だと言われていた。

種類

液体ヘリウムは、大気圧下で約2.168K(−271℃)を境に二種類に分けられる。

  • 高温側 ‐ 常流動ヘリウム(He Ⅰ)
  • 低温側 ‐ 超流動ヘリウム(He Ⅱ)

常流動ヘリウム(He Ⅰ)は通常の液体と同様の性質を示すのに対し、超流動ヘリウム(He Ⅱ)は粘性が殆どなく、多孔質体内を無損失で流れるという特徴を持つ。

これが発見される前は4.2K(−269℃)の液体ヘリウムがよく使われていたが、発見以降は2K(−271℃)以下のものがよく使われるようになった。

用語の所属
ヘリウム
関連する用語
超伝導
液体水素
液体酸素
液体窒素

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